The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

やっとこさ3キロの移動に漕ぎ着けました

バーナーのセッテイングを修正して、合計6000+1600x2=9200kcal/hの構成で焙煎してみましたが、実は先回より少々悪化しました。200gの焙煎については流石にここまでこらない方がいいかも。→どうも主に排気の設定が全体的に弱すぎたみたいです。

あと、予想に反してサブバーナーはメインバーナーと連動せず、固定でいった方がうまくいくのかもです。うーん、何が起こっているんでしょう。ちょっと不思議です。

→メインバーナーを中心に操作するのでもなく、サブとメインを連動させるのでもなく、逆にメインバーナーをほぼ焙煎量に応じて変化させるとともに、焙煎中はサブバーナーを主に操作して、焙煎が成立するようにした方が上手くいきそうです。おそらくこの方が焙煎量やバッチ数の変化に簡単に対応できる上に、操作もいくらか簡便になるはず。ということでサブをメイン並みかそれ以上に引き上げられないか現在検討中。

いきなり秋らしくなって外気温や湿度が低下した影響を半屋外での焙煎ではモロに受けたのもあるようで、似たようなプロファイルは書けたとしても、結果は大違い。忠実に先回の設定をなぞるか、逆に大胆にいろいろ試してみて探るかした方が良かったかも知れませんが、移転の準備でそこまで時間は取れませんでした。

対象的に、今回は試験的に1,6kgまでの増量を試してみたところ、今まで得られないプロファイルがかけました。RORも20前後にまで持っていける可能性が出てまして、この構成を少し見直すと、これまでの最高レベルで、今まで苦手としていた1kg後半台での焙煎に適した設定にできそうな予感です。

あとは、200gからできれば2,4kg位まで特別なことをしなくてもスムーズに焙煎できる構成ができればいうことはないのですが。

この場合も、どうしても釜の蓄熱による影響はキャンセルできるわけではないので、最初の3バッチは余熱の延長扱い。4-7バッチまで比較的に200gでの焙煎に適した状態、その後は400、800g、1600g以上が望ましいといった具合で、状況に合わせて徐々にステップアップできると理想です。

200gの次は2,5kgというのは結構、きついし、ある意味ストレスでもあるので、最終的には基本的な焙煎量を400g以上、1,6kg以下で固定できたらいいと思っています。さらにできれば焙煎中に火傷しながら、バーナー取り替えたりしないで済む状態にできたら。

お借りしているテナントがコロナ明けで新しくドックカフェに切り替わることになり、移転の必要が生じたため、先日、とりあえず、焙煎機をまるっと移動させました。

移転先は簡易的な排気というか換気装備が既に取り付けられてありまして、当方の場合、しっかりとした煙突は必ずしも必要でないし、小型のプロパンボンベは常備しているので、電気さえあれば、移動してすぐに焙煎というのもできなくはないのですが、お借りしていた分のテナントの明け渡しに向けて色々やることが残っているのと、移転先も十分に条件が途整えられていない状態での移動でしたので、今日は無理でした。

ただ、来週あたり早めに、再度新しいバーナーと豆で試してみようと思ってます。

移動の準備中に外したバーナー部分を眺めていて、ぴかっと閃きました。LEDで3W相当くらいなので大したことではないのですけれど。

実は数ヶ月前に入手して、そのままになっていたバーナーが本当にギリギリ、手前のスペースにほとんど理想的な場所に収まることが分かりましたので、サブバーナー3本体制がほとんど手間をかけず、実現できそうなのです。現在4本目の搭載が可能か検討中。

これで最小でも1770+1600x2+6000=10970kcal/h スタートとなり、大体1万2千キロカロリーもあれば余るくらいで十分ではないかというこれまでの実感からすると、これだけで十分。

操作をどう簡略化するかは問題ですが、独立して火力を調整できるので、ドラムの中の温度分布を予想して調整したりも可能です。

これで足りない場合、バーナートップを入れ替えて、少しずつ増強すると

約11636、12303、12970、13636という刻みで変更して、最大はなんと14970kcal/hが絞り出せます。これでドラムの加熱具合も調整できる幅がぐーんと広がりますし、火力が不足する感覚はほとんどなくなると思います。また思い切って排気を上げることも可能になるので季節ごとの変化の対応にも余裕があってやりやすくなるはず。あとは操作をどうやって簡素化するかだけですね。

いい加減、こういう試行錯誤は終わりにして、焙煎そのものに集中したいものです。

早くも季節は秋らしくなって、ぜんぜん、焙煎の条件が変わりまして、その点でも半屋外の焙煎は打ち切りとしまして、今後は小さな焙煎小屋から、もくもくして行く予定です。

 

 

デカフェ業に転身? 今後の取扱銘柄

最近、いろいろやっていて、もうコーヒーをうけつけなくなるんではないかという死線を彷徨い続けておりまして、とうとう、英断しました。今後はデカフェメインで行くしかないと、でラインナップを考えてみました。屋号も変えないと。


デカフェグアテマラ、ブラジル、コロンビアから1つ。おそらくグアテマラ一択)
②限定カリブ(カリブ海の気候の影響が比較的強い地域の銘柄)現)グアテマラCL
③限定メジャー(コーヒー2大大国)コロンビア、ブラジル(またはベトナム)より1品
④限定オリジン(アフリカ大陸が!いや太陽系では地球がコーヒーの原産地だ!)特徴  
 のある品(イエメン、ケニアタンザニア抜きエチオピアはCLのみ) 現)シダモCL
⑤水分補給スパークリングアイス(沢山飲んでも安心なカフェインレスが夏季限定!)
⑥限定おたのしみ 世界の珈琲探検隊 欠品中 候補 インドネシアCL
⑦究極の限定版 これっきりDeSuKa? グアテマラ現在庫分(一回こっきりの限定品)
⑧数量期間限定売切必至 おすすめラルダ(常時在庫なし。原則冬季 4年に一度手に入るかも?) パナマ エスメラルダ農園             CL=Cafeinless

活用例

①→K抜き(Cafeinless)でお願い

②→カリブ 160g 2500円からになります えっ?

③→メジャー  今月はそんなにメジャーでなくてどちらかというと マイナーですけど、グアテマラとかどうですか?

④→今月のオリジン グアテマラになりますけど、いかが?(実はカフェインレス以外も全部シングルオリジンですけど、あ、それは別)

⑤ここいらでプシュッとグアテマラのカフェインレスでスパークしちゃいませんか? 

⑥この前もらったおたのしみください→次の入荷は来年になってます。グアテマラもありますけど、こちらを試してみませんか?

⑦これっきりありますか?→ももえちゃんスペシャル、でましたー!

⑧本当のおすすめは、おすすめラルダなんですけど、今の時期は入荷がないんですよね。代わりにグアテマラとかいががですか(ほぼこれしかない)。

 

 

 

そして焙煎4週間目

28バッチの評価を終えて、荷物を整理して車に乗っていると、なにやら、焙煎したてのフルーツバスケットよりもはるかにフルーツらしい香りがなにやら車の後方から漂ってきまして、窓を開けてもなかなか消えてくれません。食べごろのメロンが10個くらい乗っているような感じです。最初は腐りかけた果物でもあるのかなと思ったのですが、その割には腐敗臭とは全く違った間違いなくコーヒー豆らしいアロマに果物の香りがついている感じなのです。

コーヒーを移した空梱包がこんなに匂うのかな?それとも焙煎直後のアロマが残っているんだろうか?まさか、と思ってみてみたら、なんと車に積みっぱなしの袋からその匂いは発生していました。

1週間目、2週間目と評価してきて、どうしてもある種の硬さが取れず、バランスが悪いと感じていた豆やらをまとめて廃棄予定で置いていた分が数種類合わせて300gくらいあってその中からしている匂いでした。

ありゃー、これまた化けたか。

グアテマラにしては珍しいナチュラルがありまして、正体はこれのようでした。

焙煎直後は全くフレーバーがたたず、ほとんど味噌の風味しかしないのですけれど、粉にしてからでも2ヶ月後、3ヶ月後になってやっと本来のフレーバーやらアロマが噴き出すように表にでてきたりするところがあります。

今回は車内の高温に触発されて早めにディベロプメントしたんでしょうか。

追熟が必要な豆なんですねえ。

別に袋のテストで密封して保管していた分を開封して試してみました。

アロマは車内に放置した分のようには際立っていませんが、テイストは穏やかで雑味もさほど感じさせない穏やかなカップに変貌していました。ただアフターテイストはまだまだ硬くてこなれない感じがしますし、車内放置分と比べてしまったらアロマは百分の1くらいです。

今後はもう少しちゃんとした条件で車内に放置して様子を見ようかと思います。

わからないものですねえ。

とりあえずはすぐに捨てなくてよかったです。しかし、常温で豆の状態だといつまでまってもなかなかこのアロマもフレーバーも出てきません。そんなに何ヶ月も待てないよー

ということで真空パックがどのような作用をもたらすのか、実験するには好都合かもしれません。半年後のフレーバーはいかに。

常温だと粉にしてからでも最低でも3週間以上最大3ヶ月くらい待たないといけないんだから、どうなってるのこりゃです。

 

28バッチの評価④

#21  マンデリン アチェ 200g

知り合いに頼んで分けていただいた貴重な豆。最初の一口は、妙に酸が重く失敗したかもと焦ったのですが、少し冷めると、スペシャリティのマンデリンらしさが十分に味わえるカップに変貌していました。やはりいい豆ですね。同じ地方でも以前17バッチ焼いた分とはかなり印象が変わります。→冷め切った後、さらにさえます。原料の良さは今回の焙煎の中でもピカイチレベルかもしれません。

#22  ブラジル フルーツバスケット 400g

焙煎度は200gとそう変わらないはずなのですが、こちらの方が芯まで火が通ってなおかつ外側はそこまで加熱されていない感じで全体にフレーバーが残っています。やはり今回のバーナー設定では200gはきつい。400gだと以前よりひょっとしたら改善されているかもしれません。ただ、RORのカーブはとても判断が難しくて、もう全く別のプロファイルを書くつもりでいないとうまくいかないと思います。途中焦って早めに切り上げた割には結果は良好でした。

→冷め切った後、かすかな渋みがありますが、甘味も強くなります。

#23  ブラジル フルーツバスケット 500g

400gと比べてどうか、かなり微妙ですが、フルーツバスケット感は残っています。

やはりこれくらいの焙煎量がないとやりにくい焙煎というのはありそうです。もう少し増やしてどうかも試してみたくなるところです。一度は800、1200、1600といった刻みで焼いてみたいと思いました。

→冷め切った後、かすかな渋みがありますが、甘味も強くなり魅力は増します。一番まとまっているかも。

#24  ブラジル フルーツバスケット 500g

23とほぼ印象は同じです。ブラインドで区別がつくかわかりません。これくらいの量になると、一定したペースで焙煎するには好都合なようです。3キロの最小焙煎量を500gからとしている方がいらっしゃるのも納得できるような気がしました。

→冷め切った後、3つの中ではもっとも深煎りに感じます。よくみると液体の色も濃い。少し豆の量を多くしすぎただけかもしれない。

#25  ブラジル プレミアムショコラ 834g

少々の煎りすぎ感あり。その割にはパリッとした感じも出ていません。作業性では800-1200gは比較的良好だが、この焙煎量を選ぶ意味はテイストの点ではないかもしれない。慣れればまた違ってくるかもしれないが、今の所メリットは感じない。

#26  ブラジル プレミアムショコラ 2400g

さすがに26バッチ目となるとこの焙煎量でも浅煎りできるのではないかと挑戦してみたものです。ちょっとムラが目立ちます。ピーチ感もちらほら。少し渋みもあります。焙煎としては若干不完全感は残りますが、適切にハンドピックして抽出で救える範囲です。これくらいの量でまとまると、ある意味、そこそこ無難な結果になりやすいのですが、もう少し時間をかけて焙煎しないと無理なようです。最低でも15分くらいかけるつもりでないと無理そうです。それで、ハイからシティくらいまで持って行った方が、ショコラ感もでてよさそうです。高級なスタンダードみたいな線でまとめたい時だけ、この焙煎量を使うことにしようと思います。

→完全に冷め切った後は、すべてのブラジルの中でももっとも落ち着いた印象になり、特に焙煎に傷は感じません。不思議なものです。こういうところが大量にまとめて焙煎するメリットです。もう少しプレミアム感が出れば焙煎としては満点ちかいのですが、これがなかなか難しい。

総括

今回やってみて、最初の3または4バッチくらいはパイロットバッチとして別枠としても、少量焙煎でもトータル20-21バッチくらいまでに抑えた方がよさそうです。今回のベストバッチが21として、実際、ここを過ぎるあたりから、投入温度を整えるために使う時間の割合が増えて効率も落ちるし、その割には焙煎に特段改善も見られないので、たくさん欲しければまとめて焼いちゃいなよ、という世界になります。ちょうど今使っている車の後部の空間に効率よく乗せられるのが18バッチ分くらいなので、最初の3、4バッチ分を少量でまとめたとして、21バッチまでにするとうまく収まります。

(1キロ以上のバッチを繰り返す場合の12バッチ目くらいに相当します。)

次回は標準焙煎量は400、500、600、それとも1,2kg 1,6kg 2kgあたりがベストかもう一度探ってみてもいいし、もっと寒い季節にどうなるかみるために、暖房代わりに40-50バッチくらいやってみてどうなるか試してみたいものです。実際、今回も体力的には32バッチくらいなんでもない感じでしたが、お豆と違って40度を超える暑さにさらされていると、10時間が限界でした。

28バッチの評価 ③

#17  エチオピア 早い者勝ちでないナチュラル 200g

#16がG3でこちらはG1扱いらしいのですが、さほど差は感じません。特に冷めた後、少し酸味が尖った感じがあったりは似通っています。焙煎でカバーすべきことかもしれませんが、冷めると少し重く感じる。軽く爽やかなモカというわけには行きませんでした。もう少しで#16を大量購入する寸前でしたがあやうく思いとどまりました。温かい時の印象のままだったら、買えるだけ買い込んでも後悔しなさそうでしたが、短い夢に終わりました。

 #18  ブルンジ 200g

ああ、ブルンジ。現時点で産地の特徴はほとんど感じられない焙煎になってしまいました。豆そのものにあきらかなディフェクトはなさそうです。単純に煎りすぎて短期間の評価には向きません。3週間くらい様子を見て再評価が必要だと思います。

14バッチ目あたりから顕著なのですけれど、豆から発散する香りからすると、ほぼ理想的に焙煎は進行しているはずなのに、かすかにナマ感がしています。どうも新しくつけた増強バーナーは200gでの焙煎に関しては逆効果になっている疑いがあります。先回までの構成でも最大17バッチまでしかできていないので、そもそもが未知の世界なのですが、新しく増強するバーナーは奥側に追加するか、パイロットバーナーを外して低い位置につけるのが正解かと思われます。

 #19  コスタリカ ブラックハニー 200g

コスタリカらしさをほとんど感じさせない焙煎となってしまっています。なにより特徴的な酸味がほとんど前面に出てきません。それなりの甘さはあります。だから何という感じです。中米はそこそこ上等なワインにも負けない酸味が特徴的な銘柄が多いのですが、これは焙煎の問題かと思います。ミディアム相当の焙煎度で評価すべきでした。

 #20  マンデリン リントン? 200g

スペシャルティのマンデリンらしい。際立つ酸味です。とてもチャーミングだと思います。新世代のマンデリンですね。煎り具合はこれくらいで良さそうです。豆の外側はハイ相当です。引いても印象は深めのハイくらい。

28バッチを評価する②

#07  ブラジル フルーツバスケット 200g

プレミアムショコラはピーベリーだったのですが、同じように焙煎したつもりでもこっちの方が水分量が多かったのかいつの間にか焙煎が進んでフルシティと言ってもいいところまで行ってしまっていました。たぶん、1ハゼがあまりにおとなしくて最初にかすかにハゼ始めたタイミングを見落としてしまったんでしょう。炭酸ガスがすごく、抜けが悪くて蒸らしている間に抽出中であることを忘れてしまうほどでした。

コーヒーとしては成立していますが、やはりこの豆の個性を味わうには行き過ぎたと思います。スタンダードのピークと比べてどっこいどっこいという感じです。ちょっと勿体無い焙煎ではあります。

#08  ブラジル フルーツバスケット 200g

特徴的ではありますが、どこの焙煎でも今一つピンとこない豆でして、自分が先回行ってみた分でも、ピントが合わない感じは相変わらず、今回はと言いますと、こちらは焙煎度としては、この豆の特徴が残るギリギリの深さという感じです。ほぼシティ相当。特徴的なフレーバーを楽しむには、たぶん、10日程度待ってみないとなんとも言えない感じはあります。甘みも感じられてそれなりにいい豆であることは伝わる状態ではあります。現時点では評価は困難。

#09  ブラジル フルーツバスケット 200g

深めのハイくらい?と思ってみたのですが、実際には8とほとんど変わらぬ焙煎でした。やはりこの豆はミディアム相当から少しずつ深く焼いてゆくような加減で試してゆくべきだったと思いましたが、手元にある分をもう焼き切ってしまったので、たぶん次回試すとしても、別のクロップになると思います。誰にでも特徴的と感じられるいいブラジルないかなと思っているのですけれど、ピークのアロマはそれなりに突出しているものの何かが弱い感じがします。いまのところ。

#10  ブラジル ダテーラ農園 200g

今回扱ったブラジルの中でもっともフルーティな香りがしています。テイストはまずます。こちらもシティと言っていい焙煎度で、スペシャルティ感を楽しむには炒り過ぎだと思います。硬い感じが出るのは仕方がないのですが、覚めてくると、フルーツ感がはっきりしてきて、いぜん、別のクロップでいただいた時も、スタンダードではまず感じられない良さを感じましたが、こちらも期待できそうではあります。なんと言っていいのか。浅煎りで飲むには、もう少し、品のようなものがあればいいのになあと思ってしまう自分がいます。いいのはわかるんですけど、どうしてももう一回飲みたいかと言われたら、次は半年後でもいいかなあと答えたくなるような、なんなんでしょうねえ。

#11  コロンビア とある農園エクセルソ 200g

プレミアムクラスの高い豆とかはまた別の世界があるかと思いますが、スタンダードの2倍くらいまでの価格帯のスペシャルティに限ればコロンビアは個性が控えめなものがおおい。ブラジルに追いつけ、追い越せで頑張っていた頃の惰性か、外観の品質はとても良い反面、風味については、量を重視した時代が長く、特徴がないのが、コロンビアの最大の特徴としか言いようがないものが多い。でもこれはちょっぴり個性も感じられて、なおかつうまく扱えれば高価ななんとかマウンテンとか言っても通用しそうなくらい甘みも出るし、そこそこ上品な酸味も出るし、コーヒーらしいコクもそれなりには出てくれるのです。今クロップはどうか。このバッチについては、少々焼き過ぎでした。これまで焼いてきた分は収穫から時間が経って少し枯れていたんでしょう。同じように焙煎しようとして、少し行き過ぎた感じはあります。素性の良さは感じられます。豆の香りからすれば焙煎はまずまずで、少なくともこけいなそうなので、ほとんど取り出すタイミングだけの問題とも思えます。→うっかりしていました。こちらはカフェインレスでした。これでラストにしようと思いました。

#12  ブラジル トミオ フクダ 200g

#27よりもこちらの方が深煎りです。一口目はスタンダードとどこが違うの?と言われそうななんの変哲もない感じで、凡庸ですが、そのイメージがどこまでも壊れない感じです。これがスタンダードだと、あるところから、ガラッと崩れるような感じになりやすい。冷めてくると他の中南米の評判のいい地域の豆といい勝負をしてもおかしくないくらい、余計な風味がしない。やはりこの豆らしさを感じます。

#13  グアテマラ とある農園 200g

#28より深い焙煎です。この豆の特徴である柑橘系のフレーバーや酸味が感じられないところまでいってしまいました。この辺りでやっと気がついたのですけれど、今のサブを増強した条件だと、以前、210度で降ろしていたのを205度で降ろさないと近い仕上がりにならないくらいに、誤差が生じていることにこの辺りでやっと薄々気がついてきりかえようか迷っていた頃です。このあたりまでバッチ数が進んでくると豆から発散する香りは素晴らしくて、少なくとも外側は完璧なまでに火が入っているのがわかります。

いずれにせよ、ここまでいってはいけないなと思った焙煎です。こちらも冷める前はスタンダードのグアテマラにしては雑味感が少ないかもなという感じのなんの変哲もないグアテマラです。

#14  エチオピア とあるナチュラル 200g

この銘柄、以前はこれ以上深く焙煎してもそれなりについてきてくれたのですが、こちらは入りすぎでした。以前期間限定のお買い得エチオピア仕入れたことがあったのですけれど、それと全く同じような結果で値段は4割増以上しています。もっと浅くいって判断しないと判別は難しい。期待していたよりは雑味感も出やすそうな感じです。

#15  エチオピア とあるウォッシュト 200g

14とまったく同じ産地で精製だけが違うものです。熱いうちは正直ブラインドで正確に見分けられる自信がないくらい似通っています。そういう焙煎しかできない自分のスキルもあれ、ですが、今クロップに関しては扱うべきかの、判断は当面保留せざるを得ません。

#16  エチオピア 早い者勝ちナチュラル 200g

思い切って早めに降ろした分です。やはりこれくらいのタイミングでそろえてエチオピアだけでも比較すべきだったと思いました。モカらしさもしっかり感じるし、雑味感もさほど感じさせず、飲みやすく、スィートしかも程よい酸味も感じられるカップです。一部のエチオピアに見られるトイレの消臭剤みたいな人工的な香りのついたレモンのようなクセがなく、おだやかな性質を感じます。置き場所が確保できれば一抱えほしいのですけれど、無理かな。

と、やっとここまでで折り返し地点を過ぎましたかね。

とりあえず、一休み。

 

28バッチを評価する①

10時間かけて28バッチ終えた後は、コーヒーの香りでムカムカする以上に湯気さえも避けたくなる感じ。外に出ると熱風の海の中を泳いでいるような感覚です。なんというか焙煎中の豆はこんな気分でいるのかもしれませんが…。

本当は8時間後くらいにすべて評価する予定だったのですが、うまくいかず、なんとかコーヒーの評価くらいできそうな状態になったので、今日になって評価を開始しました。覚書レベルです。

#01 正体不明のモカ ナチュラル 60g

そこそこうまく行っている感じに見えます。見た目は狙っていたより深煎りに感じます。これはディスカバリーでもそうですけれど、最初の2バッチか3バッチ目くらいまでは焙煎度そのものも狙った通りに揃えるのが、うまくいきにくい。温度で合わせるということが通用しにくいのです。飲んでみると、ちょっと深煎りファンに受けそうなフレーバーがかすかにします。本来ならハイくらいで止めるつもりだったのですけれど、この量だと流石に厳しかった。豆自体、管理の問題でディフェクトが隠せないものです。たまたま余った豆を余熱開始後10分でいれてみたもの。

#02 ブラジル プレミアムショコラ 100g

ディスカバリーに10gいれるのと同じようなバランスです。どうせうまくいく可能性がほとんどないなら、少なめで行こうと思って試してみました。今クロップのクォリティはいかに? これだけだとスタンダードに毛が生えるか生えないかのクォリティの豆であることは隠せません。少し汗をかいていて、ドラムが過熱気味になっていたことがしのばれます。やはり追加のバーナーはもっと下げるか、奥側に2つ並べるべきだったと思います。少なくともこの焙煎量ではサブは奥の1つでも十分でした。

#03 ブラジル プレミアムショコラ 150g

すこし生感と渋みがあります。ちょっとした辛味のようなフレーバーも。昭和の時代の焙煎だったら、これはハゼの前の水抜きが足りないと言われそうな感じではあります。全体に釜が温まっていないので、豆の当たる熱風の温度が不十分な割にドラム周りは先に加熱していた感じがします。

#04 ブラジル プレミアムショコラ 200g

どんな焙煎機でもやっと目が覚めたと思えるタイミングがあり、フジの場合、特別なことをしなくても、4バッチ目あたり突然目が覚めたような感じになって、当日のベストに近いバッチができたりします。最大焙煎量の10分の1以下だとスローペースになるはずですし、今回は予熱も10分程度しかかけていないので、この時点ではいつもの2バッチ目と3バッチ目の中間ぐらいのできになってもおかしくないところです。ちょっと生に感じる点はありますが、スペシャルティらしさは出てきました。外観でもハイ相当くらいに見えます。スペシャルティの豆であることをようやく認めてもいいところまできましたが、少し飲む人を選ぶような感じはあります。しばらく置いておくと化けるかもの焙煎です。点数をつければ80点スレスレ。もしくは±2くらい。

#05 ブラジル プレミアムショコラ 200g

4より少し深めの焙煎度でここいらあたりが小倉で勝負するには無難かもしれないところですが、4と比べるとスペシャルティらしさは後退します。スタンダードと比べて特徴を主張するのは場合によっては厳しいかも。それでも、安心して推せる感じはあります。特に九州であれば。

#06 ブラジル プレミアムショコラ 200g

4と5のいいとこ取りをしたようなところがあります。ただし、まだまだかすかに辛味のような成分を感じます。もう少しまろやかな甘みがベースに感じるところを出せないと、抽出や相手によっては厳しい評価を受ける可能性があります。

#27 ブラジル トミオフクダ 200g

今クロップは見た目のスクリーンサイズも小さく感じて、外観は今一つの印象でした。飲んでみると、かすかにグラッシーな感じ。これを苦にするなら、なんとか焙煎でカバーすべきところかもしれません。好き好きですが、結構好きな方もいらっしゃる程度ではあります。焙煎度はミディアムからハイくらいかなと思ったのですが、実際のテイストはちょいシナモンらしさも出ていて、ピーチっぽさえあります。あまりコーヒーらしくありません。でも、この銘柄どんな焙煎をしても明らかに失敗したと思えたこともないし、どこから購入しても仕入れに失敗したと感じたことはないんですよね。

特徴はさほどなくて、市場の評価はそんなに良くないので、あまりコストはかけられていないはず、その割にはぞんざいに扱われたような痕跡を感じることがなく安心して出せる感じがするのです。お分けしても予想以上に好評だったり、一旦切れると半年近く待たないと入手できなかったりするのが唯一の欠点です。時間を置いて評価すると化けるかも。次回以降は素直に甘みが感じられるところまでいくべきでしょう。ただ27バッチ目でわずか200gの焙煎量ですので、とりあえず、焙煎が成立しただけでもよしとしなくてはなりません。もう少しバーナーの設定を調整できれば、200gで30バッチとかも夢ではないですが、特にやりたくもありません。

#28 グアテマラ とある農園 200g

サンプルでいただいてかなり印象の良かった今クロップ。今回の焙煎は今一つです。とはいえ、焙煎機全体が過熱気味になってくる28バッチ目でこれだけ入れればOKとしたいと思います。当面の実験のベースに使えたらと思って入手した豆なのですが、やはりちょっとディフェクトを感じさせる部分はかすかにあります。原料のせいにすべきものかといえば微妙なところではありますが、いずれにせよ逆にこういう状態の方がテストには向いているかもしれないので、とりあえずはこれで行ってみようかと思っています。

 

連続28バッチ 評価中

昼間焙煎機のスィッチを押すと、バーナーをつけていなくても、最初から40度台を示すような状況で豆温度計を交換するまでもなく、あまりに暑すぎる様子。

やっと39度になったのを見届けて、なんとかある程度、天候も落ち着いていたので、昨日は連続28バッチに挑戦してみました。

本当は30くらい行っても良かったのですが、途中で少し雨がパラパラきてしまったのもあり、とりあえず、28で打ち切りました。

今回は久しぶりに扱う豆をこれまた久しぶりに2.4キロ入れて回してみて新しいバーナー構成の具合を確認したりしました。

さすがに200gだとサブバーナー増設した意味は性能的にはほとんどありません。それでも今の状態ですとメインバーナーと独立して操作しなくてもよさそうなので、配管を作り替えてしまえば操作がかなり簡便になって使いやすくはなりそうで、ホッとしました。

これまでだといろいろ難しい面が出ていた400-900gくらいの焙煎ではやはりあるのとないのとは大違い。

ほんの少しだけスタンダード寄りの焙煎になることも含めて許容すると、特に20バッチ目くらいになった時は、これまでにないくらいごく短時間で浅くいったものでも、本格的な熱風式で焙煎したのとギャップがかなり少ない焙煎も可能な様子でしたので、もう少し慣れていくと、いろいろな使い方もできそうです。

ひとつ困ったのは、焙煎量を増やすとディスカバリーでの豆温度の表示やRORと大きくかけ離れてしまうところ。焙煎した感覚自体も200g-230gあたりいるときがもっともディスカバリーで120-150gくらいいる時に近い感じがするのですけれど、特に今回サブバーナーを2本つけた状態ですと、ますますギャップが大きい。

これは新しく増設した側のバーナーは豆には作用しているのですが、ほとんど豆温度計の側に新しいバーナーから発生した熱風が送られないことが関係しているようです。一見、左右非対称になるのですが、本当は豆温度計がある側のサブバーナーが2倍くらい強力でないと釜の内部の温度分布はバランスしないようです。というか、今回増設したバーナーはパイロットバーナーが邪魔をして上の位置につけざるを得なかったのですが、その影響かもしれません。いずれにしても15000KCALとは言いませんけど、後2割り増しくらいのカロリーが出せてもいいなあという感じはあありますから、もう一つサブバーナーをつけるなり、思い切って点火バーナーを外して配置を見直すなりすることにはなりそうです。

今の設定のままでも、2、5キロで十分なのですが、急ぐとムラが大きい焙煎になりやすい。やはりこの釜の持ち味は 15分、16分あるいは18分とかかけてじっくり火を入れるような焙煎が得意、というより、もともとそれしかできないかも、の世界です。土台となる釜の特性は原則変えれません。

それでも、今の条件だと、以前に比べてバランスが少量焙煎側にありそうですので、意外に少し量を控えめにした状態でうまくいけるかもしれません。

今回は豆が足りなかったので、できませんでしたが、次回はこれまであまりやったことがない1,2-1,6キロあたりの焙煎量を試してみようかと思っています。

真空パック+ガス充填暫定評価

個人的な備忘録としておきます。忘れる前に。

1)ほぼそのまま袋に入れたままの保管

だんだん、焙煎のムラ、あらが目立つ。尖った酸味が少し出てきた

→翌日、少し淹れ方が変わったせいか、飲みやすくなった。フレーバーは最も残っていると感じる。袋から出した時の香りが強く、好ましい。

2)ある程度、軽く真空度をあげて保管したもの

より酸味が目立つが、ムラは目立たない。

3)一般のガス充填後そのまま密封したもの

上の2より飲みやすいが、酸味が尖り、まとまりはない。

→いったん、密封して翌日試すと、穏やかになる。

4)脱酸素剤Aを入れてガス充填したもの

酸が突出しているのは3と同じ。苦味に近い成分が多少加算されて感じて、バランスが悪い。豆の状態での香りも好ましくないが粉ではOK.

→いったん密封して翌日試すと、やはりより穏やかになる。

5)炭酸ガス吸収作用のある脱酸素剤Bを入れてガス充填したもの

よりまろやかで刺激がない。ガス充填せず、脱酸素剤Bを単体で使用した場合の印象に近い。特徴的なフレーバーは後退する。

6)炭酸ガスでガス充填したもの

抽出時の膨らみが自然である。まとまりがあり、飲みやすい。特に一般のガス充填より好ましく感じる点が多い。

→再度密封して、翌日、翌日試してみても、飲みやすさは変わらないが、何もしないものと比べて開封時のフワッとした香りがなく、アロマも控えめ、逆に口中香やフレーバーはしっかり感じやすい印象はある。

まだまだガス充填機能の調整に手間取っているので、最終評価できるのは相当先になりそうです。

連続24batch体制とバーナー増強と真空パック

先日、200g中心で焙煎したもの。初心に帰って手網で焙煎していたころの感覚に近いところで焙煎後ハンドピックして飲んでいただくと、なんとこれまで深煎りしかコーヒーは飲んだことはないという方にほとんど絶賛していただきました。

そのほかのバッチもちょっと余計な手間はかかるものの、2爆ぜ深くまで行ってしまった分を外して、なおかつ窯の隙間に引っかかったりしたものや、未熟豆すれすれのあまり身の入っていない豆を外して整えて、えいやっとブレンドしてみると、以前の場所で 2,5kg焼いたときにやっと出てきたような風味が感じられてなかなかいい具合です。

後は、これをもっと一般の熱風式やらの焙煎機に近い特性に持っていければ、煎りやすくなって、百発百中とまで言わなくても、ほぼ100%OKに持ち込めるはず。

最初の7バッチ位少量で始めて尚且つ、少量のテスト焙煎中心にしてしまえば、ロスは自分でテストで消費する分と(通称)ハンドピックで外す分だけにできると思います。

実は長いこと探しておりましたが、先だってちょうどいいところで、さらなるバーナー増強のめどがつきました。もともと6本あるバーナーを8本に増やすのは今でもメーカーに頼んでなんとかできると言う話だったので何度か頼もうかと思ったのですが、色々考えていると本当は5x2で10本ぐらいには増やしたいと言う感じがありまして、別の方法がないかと色々試行錯誤した時期がありました。

代わりにと言うか、どうしても使いたいと思っていたタイプのバーナーがあることはわかっていたのですが、30年以上前に生産中止していて、なかなか手に入らなかったのです。

それが先日手に入れることができて、ようやくこれでバーナー周りは当面の最終形に近いところに持って行けそうです。ドラムの中の温度のムラを抑えるのが目的なので必ずしもバーナーの熱量表示を求めているわけではありませんが一応、1万キロカロリー程度の最大表示なので、これで夏場でも実質8000kcal相当は出せますし、調整範囲が広く取れて好都合。

スペシャルティの焙煎をする場合は1キロ前後がいいところでしょうから、いずれにせよ連続焙煎体制の整備は急務であります。

これでやっと実質3分の1熱風くらいにはなるので、焙煎量をうまいこと加減して、なんとか頑張れば、そこそこ面白い焙煎もできそうですし、いつでもオリジナル状態にできる方法なので焙煎の幅は一気に広がります。

後は何とか操作しやすいように作り直して、再現性を高めたり、いくら何でも2,3週間寝かせて煎りたてもアピールできませんから、もう少し早く提供できるように持って行かかなければなりません。

今回、当面250gくらいから650gくらいまでの量の焙煎中心で行ってみようかと思いまして、連続最大24バッチまで対応できるように本日容器を追加で買い足しました。

最近、最初の7バッチくらいはごく少量で始めています。少量だと袋にすぐに移せばいくらでも行けるので、実際には30バッチくらいまでは余裕で可能です。12バッチ目から2.5kg としたら、後半だけで30キロも煎れてしまいますけど、当面は新しい状態の釜の特性を把握するのが目的になりますから、平均500gとしたら実際の量はそこまで行かず、10-15キロくらいからでしょうか。

これで心置きなく、倒れるまで連続して焙煎できます。

これまで2キロ超えだとウォッシュトは相当厳しい感じでしたが、ここを改善できる見込みが立ったので、これで真空パックのテストに必要な豆を1つのバッチから取れるようになりますので、今後の実験自体も相当やりやすくなると思います。

それと懸案だった真空包装についてはある程度多少なりともメリットも感じられるようになりました。もっとも開封時のふわっとくる香りがなくなるデメリット分を上回るかと言うと、今の所、疑問符は付きます。

特に炭酸ガスを吹き込むのはやってみると意外に効果はありそうです。まだまだたくさんの検証すべきパラメータがあって、うまくまとまりきれませんので詳細は控えます。

先日シーラー部分のヒーターをいつでも変えられるようになって、しっかり実験できる状態でシーリングできるようにはなったのですが、結果を最終的に判断するのは数か月後になるので、なかなか時間がかかります。

やはり酸素を吹き込む分と比較対象していった方がいいかも。しかし九州も微妙に雨が降ったり、降らなかったり、天候が安定しないうえに、とにかく暑い。