The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

どうして、いま、ここ(小倉北区足立3丁目)なのか②

先回、最後の決め手は大家さんだと言いましたが、それは実は単に人柄ということ以上の意味があります。この地域に根付いた店としてやってゆく土台がそこにあると判断したということなのです。

この場所は、ほとんど、住宅街のど真ん中、それも今では、高齢化が進む一方の地区でもあり、大して人通りもなく、近くにオフィスも交通機関もなく、集客の期待できないこのような場所にどうして店をという疑問は誰しも思うところでしょう。商売に適さない場所というのは、たぶん子供でもわかることだと思います。

通りをすぎる方でも、どうしてここに、という声が時折聞こえます。

確かに常識的に考えれば、半年以内に潰れるのが間違いのない条件です。同じ店を構えるなら、家賃を2倍3倍払ったところで、十分に売り上げでカバーできるので、商売の理屈から考えたら、借金してでも、本来、そういう条件の場所で始めるべきです。

でも、それこそが、自分の狙いでもあったのです。そういう、常識的にコーヒーの店が存在しにくい場所だからこそ、今後とも、将来にわたって、ライバルがいない、いわゆるコーヒーに関しては真空地帯みたいな一角に居を構えるとは、すなわち、最初から足立界隈で唯一の存在になれるということでもあるのです。しかも継続さえすれば、その地位は揺らぐことがありません。それも商売の成立しにくい場所だからこそです。

そして、そのことは時間が経つごとに大きな強みになってゆくと思っています。地域の方に受け入れていただいて、足立の名店か名物店までいかなくても、風変わりだけど意外にいい店の一つとして認知されれば、しめたものです。

そこで、とりあえず、今の所は、地域の方に気軽に利用していただけるように、会員制に近い形で、一ヶ月2000円位で制限なく、何杯でも飲めるとか、コーヒー豆が割安に購入できる仕組みを作れないか検討中です。

5人でも、10人でもいいので、まずは歩いて来られる範囲の方にファンになってもらうのが、目標です。そういう地元の方のご意見も参考にしながら、この場を作っていけたらと思っています。

そういうことだと、ますますマーケットが狭くなって維持できなくなるだろうと考えてしまうかもしれませんが、私はそうは思っていません。

それはどういうことかは時間があれば、次の機会に少し詳しく書いてみようかと思います