The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

どうしていま、このとき、この場所なのか⑥

最初に断っておきますが、この検討は純粋にコーヒー豆専門店として経営してゆくのはほぼ不可能ということを証明することになるかと思います。
 このページは取引先の商社の方などにも見ていただいているページなので、こんなことを書くのはちょっと気が引けますが、結論から先にいうとそういうことになってしまいます。

さて、まずは全国という前に北九州市内のコーヒー通に認知していただくためにはどういう手段があり得るでしょうか?
テレビとか雑誌広告のような媒体はとりあえず、今の段階では問題外として、考えられる手段としては、タウン誌を利用して広告を出す。新聞に折り込みを入れる。あるいは広告を出す。FMラジオやAMラジオなどの投稿を利用する。その他のいわゆるパブリシティ活動があります。また今でしたら、グーグルadその他のインターネットを利用した広告サービスがあり、そんなにたくさん、労力をかけなくても、100倍以上のアクセスを集めることはできそうです。さらに古典的な方法としてはチラシをもって地域に広告を配るポスティングなどの方法があります。

こういった方法は確かに有効だと思いますが、残念なところは、効果が一時的でなおかつ、うまくいったらいったで広告の直後に鋭いピークを持った需要を作り出す可能性が高いことです。(継続して広告を出せる体力があればまた別でしょうが。)そして、何よりも予想される売り上げに対して、過大な広告料か労力が発生してしまう可能性があることです。一年を通して、ほとんどの時間何らかの形で営業しているならともかく、限られた時間しか営業していない分、せっかくきてみたけど、閉まっているという結果になる可能性は高いです。特にインターネットでの広告は実際にクリックしてもらって、広告代は発生したものの、行こうと思っても営業時間を確認して閉まっていたので、クリックしたままで終わるという感じで、無駄に広告代だけがかさむことになりかねません。深夜のクリックでも広告代は同じ、というのは24時間営業でないと割高な広告手段です。他の広告もうまくいっても、営業している日時に集中して人がきてしまった場合、対応できなくなるリスクが高いので、初めからある程度継続してきちんとサポートしていただけるスタッフがいつでも用意できる前提でないと十分なサービスが提供できずに逆効果になってしまうというリスクが発生します。

いずれも今のくろちゃまめにとってあまり現実的な選択肢とは思えません。この中でやってみようとおもうのは、唯一ポスティングですが、これはあくまでも私自身がこの地域を知るための手段としてやるだけで、それは普段、店頭で、コーヒーいれるのを実演したりしていることの延長です。ちなみに足立内では1300世帯しかないので、一回50世帯ずつまわったとしても、26日で終わってしまいます。毎日は無理で週一回としても、半年で終わります。今はそんな余裕はありませんが。

そこで、まずはとりあえず、通りを通り過ぎる人や車をターゲットとして検討してみましょう。

通りを過ぎている車や人のかなりの割合、推定3割ほどが実は坂の上のカーサロマーノというイタリアンレストランに向かう方達です。

まずはこの方々にどうやってアピールできるか考えてみます。

このレストラン、休日もランチタイムがありまして、その時間帯は臨時駐車場までいっぱいになって、ピークではお客さんを断っていることもよくあります。もちろん、天気に左右されますが、32〜34台分ほどある駐車スペースは、平均して、6、7割方埋まっている印象があります。

ここでは計算を簡単にするために、ランチタイムは平均して、車20台分のお客がいらしていて、この全部が一応、足立以外の北九州から来られる方とします。(実際には歩いて来られる方や別の場所に止めてから来られる方も結構いらっしゃるようですが、ここでは無視します)ランチタイムの1テーブル辺りの人数は少なく見積もっても平均2.5人以上のようです。意外と子供づれも多いのがこのレストランの特徴です。ランチタイムに限定するとファミレスに近い使われ方をしているのです。車一台あたり、2,5人が訪れているとして、ランチタイムには50人が北九州の他の地域から来られていて、ランチタイムの時間帯の前後に入れ替わり立ち代わりしつつ、滞在している計算になります。

平均滞在時間はおそらく6〜70分ではないかとおもうのですが、計算を簡単にするため、1時間半とします。ランチタイムは3時間半もあります。50人が2回転して100人が利用されるとします。

他の日時はとりあえず考えず、土日祭日だけで考えると月、10日として、月1000人がランチタイムでくろちゃまめ の前の通りを車で通り過ぎます。年間でのべ1万2千人です。

はたして、この中のどれくらいの方がくろちゃまめに興味を示してくれるでしょうか?

まず、豆をわざわざ買って、自分で入れる人がどれくらいの割合でいらっしゃるでしょうか? 細かい計算や推察は抜きにして、ここはカンピータで、だいたい、全人口の100分の1から10分の1の間であると考えます。この割合は、自分で選んだ豆を自分の手で挽いたり、時には自分で選んだ自家焙煎店の豆をコーヒーメーカーを使っていれたりされる方の割合です。正直いって、地域や年齢層で大きく変動すると思いますし、参考にすべき信頼の置けるデータは他の地域であっても北九州市に当てはめて良いのか、検証が必要と思ったので、かなり乱暴ですが、ここでは間をとって1000人のうちの30人に一人程度が自家焙煎店のコーヒーを日常的に利用していると仮定して、話を進めます。

つまり400人。これらの方々にどうやってアピールするかです。

そこで考えたのが、以前にもお伝えした、車向けの看板作戦です。

実際に看板を見て店を訪れる方のわりあいは、多く見積もって100人に一人、とすれば、4人。その中でリピーターになっていただける確率は10分の1あるかないか、0.4人。これは話になりません。

ただ、これはランチタイムのカーサロマーノ利用者だけの試算ですので、実際にこの通りをカーサロマーの目当てで明るい時間帯で通り過ぎる人はこの5倍では収まらないはず。ただし、それでも2人を超える程度、これだけだと何とも心もとない数字です。

それでも、推定年間述べ6万人以上の人がこの通りを通り過ぎていて、カーサロマーノ関係以外も入れると10万人はくだらないと思われます。そのうちのかなりの方がわざわざ車で運転して年に何度か、あるいは月に何度かわかりませんが、やってきて、ランチタイムでも1000円からの食事に来られている(コースで2000円。ディーナータイムは単品で1500円くらいから)それだけ、飲食に対して、敏感であったり、時間やお金を惜しまない方がくろちゃまめ のことをちょっとだけでも覚えてくださるかも知れない。その価値は実数はわずかでも、決して小さくないと思っています。

実数はわずかでも、この作戦の最もいいところは、看板さえ作ってしまえば、広告代も労力もまったくかからないところです。通りには、TANKOというレストランとカーサロマーノ以外に口に入るものに関係する店は他にないので、いったん目に入れば少なくとも何となく、新しいコーヒーの店ができたことを覚えてもらえる可能性は高いです。

表通りにどでかい看板を立てればさらに100倍もの方の目に触れて効果的かも知れませんが、当面はそこまでしなくても、目新しさを感じる何かを掲示して、覚えてもらえれば、費用対効果を考えれば。十分に効果的ではないかと思っています。

もっともこの作戦で長い目で見て知名度はそれなりにあがったとしても、これ単体ではほとんど売り上げに結びつかないであろうことは明白です。

ですから、他の戦略を組み合わせて、合わせ技でいくなり、しないと広告戦略としては機能しないと思われます。