The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

いま、なぜ、このとき、この場所なのか⑦ くろちゃまめをどうPRするか 

今のくろちゃまめの体制では北九州のコーヒー通に有効にアピールしたところで、期待に応えられない可能性は高いのですが、先回検討したように、そもそも現実的なPRの手段自体が限られていることも確かでした。

そこでまず、小倉北区18万人のうち、どれだけの方に関心を持ってもらえる可能性があるか少し具体的に考えて見たいと思います。

コーヒーに自家焙煎店の豆を選ぶくらい、ある程度手間とお金を惜しまない人の割合が三十人に一人とすれば、対象はまずは6000人となります。小倉北区にどれだけの自家焙煎店があるかわかりませんが、仮にその中の100人に一人にアピールできたとして、60人となります。

実際にこの数は、1年間に1回とか、お試し程度利用される方が、仮に、1%いるとした場合の数字です。そのうち、常連になっていただける確率は、豆のクオリティや値段やブランド力次第だと思いますが、どう考えても十分の一以下、楽観的な数字にはなりますが、最大で6人程度です。

これを北九州市全体に拡大すると、30人。ただし、くろちゃまめ までのわざわざ長い距離を来客いただけると思うのは、無理がありますし、一部はインターネットで購入していただけるとしても、実際はこの3分の一程度とみて、期待できるのはたかだか10人くらいでしょう。

こう考えてみると、当初目指した北九州市内で常連客90人という数字はかなり楽観的な数字だったということがわかります。

これを福岡県全体に置き換えると、人口規模で5倍になりますが、地域が広がった分来客率は下がって、5/3   倍とすると、16、7人です。そして、これをさらに沖縄除く九州全域および広島山口地方にまで拡大して3倍の人口規模で見ても、来客率が3分の1とすれば、実数は同じ。少し甘く見ても20人程度です。さらに全国を対象にするとその10倍の人口規模になりますが、来客率は3分の1どころか、もっと下がるでしょう。ここは仮にですが、一応、6分の1として、33人です。もし、名前だけでもある程度知られるようになりさえすれば、くろちゃまめがメインの目的はないとしても、帰省であるとか、旅行であるとか、何かついでに訪れていただけることがこれくらいは期待できるだろうという推測の数字です。

実際には、インターネットで有効にアピールして、なおかつ注文を受け、通販ができれば、もっと増やせる余地はあるわけですが、そこに費やす時間やお金を考えた時、当面、今の自分は豆を焼くのがやっとな状態で、簡単ではありませんので、現実性が薄いということで検討外としたいと思います。

以上、一般のどこにでもある自家焙煎店の一つとしてくろちゃまめ を経営してゆくのはかなり困難であることが予想されます。

もっとも小売の豆売り専門にこだわらないで店を運営した場合はまた話は別になります。

例えば喫茶にした場合は、対象となる顧客は大きく広がって、10倍で効かなくなってきますので、生存の確率はぐっとあがります。また本格的にネット販売できれば、まったく話は変わります。そして何より自家焙煎店の場合、いったん、軌道に乗ってしまえば、卸などの割合も小さくはないでしょう。オフィス街ではないので、当初は期待できないとしても、知名度が上がればオフィスの需要もそれなりには発生すると思われます。でもこれはあくまでも店が軌道に乗った場合の話です。

とりあえず手っ取り早く地域に根ざした店として定着するには、ある程度、店で飲食できるようにした方が近道かとは思います。もちろん、そういったことも考慮して、最初は予定になかった飲食店営業許可までとったわけです。

今、こうして、言語化してみて整理しつつ、改めて思うのは、本当にここ、20数年くらいでインターネットの世界もずいぶん変わったし、ここ数年でオークションの世界もびっくりするくらい変わってしまって、昔の常識が通用しなくなっていることです。

インターネットを通して全国販売というのは、今、ネットショップが乱立する中ではあまり勝率のいいやり方とはいえませんし、無店舗のメリットはあっても、意外に手間ばかりかかって、超薄利かつ多売どころか、中売、小売になり兼ねないところです。

結局、いろいろ手数料やら取られて実質赤字になり兼ねないのです。どこかのフランチャイズチェーンのオーナーみたいな話ですよね。ほんと。