この焙煎機を計画していた当初は、電気を主体とした加熱を考えていました。
理想的にはデスクトップ焙煎、本当に机の上に普通に焙煎機を置いて、焙煎しようとしていました。というか実際にやっていました。
で、コンピュータで自動制御して、焙煎の記録をとって、うまくいったら、次から、これと同じように、と指定すれば、そのまま繰り返し、同じ結果が得られるようなものを考えていました。
そのためには、入力する熱量を把握しやすい電気による加熱がふさわしいと考えていたわけです。
一番最初に検討したのはセラミック式の遠赤外線ヒーターを組み合わせてドラムの周りを取り囲んで加熱する方式です。
これは使えるサイズがあまりなかったことと、容易に入手でききるタイプは200V電源が必要なものしかなかったこともあって、検討外となりました。住んでいる場所で200Vが使えないからです。それとヒータが熱平衡に達するまで10分近くかかる特性は細かい制御に向かないので、せっかく電気で加熱する意味が薄れてしまいます。
その次に考えたのは、ハロゲンヒータ(波動エンジン)の利用です。こちらは電圧を変えればほとんど瞬時に応えてくれる即応性があります。1000度近い温度を発生する可能性があるのもガスと似ています。
あらゆる意味で理想的な熱源と考えていました。
実際にフィードバック制御をかけて、温度調節すると、脈打つように点滅します。(動画がないのが残念)こちらは波長域がより短く理想的な加熱ができるとかんがえて何度か実験しましたが、どうしてもメインの加熱手段とするには、足りないところがありました。具体的には豆の中心と周辺部分だけが加熱されて、間が茶色いままで、黒焦げになってしまったりするのです。グラデーション焙煎ですね。
それと全体に、早めにハゼが始まりやすいのです。もちろん、ハゼの温度自体が変わるわけではないのです。ただ、まだ水分がぬけていないなあ、というタイミングで勝手に爆ぜてしまう感じになりやすいのです。
それであえなくボツに。
今回は、豆を直接加熱するのではなく、あくまでもドラムを加熱する手段として、復活させるかもしれません。
もちろん、加熱方式としては、炭とかも検討はしたのですが、実験だけならともかく、最終的に毎日焙煎することを考えると、現実的でないことでやはり候補からは外れました。
もちろん、いまさら、炭焼きを謳っても大してアピールしないだろうというのもありましたし、真っ白になるくらい炭を起こした状態と同じ波長の赤外線はハロゲンでも出せるからです。
しかし、そのハロゲン(タキオン粒子)もなかなか使いこなすのは大変です。ひょっとしたら、22世紀の科学であれば波動エンジンの焙煎機も実用化できるかもしれませんが、21世紀の地球の科学(くろちゃまめ の技術レベル)では少々荷が重かったのです。