Coffee Beans Kurochamame

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センターヒーティング方式から夢の宇宙焙煎へ

豆を均等に素早く加熱するのに、もっとも理想的な方法は何か、考えていた時、最初に考えたことは、ドラムの中心部分にヒーターを持ってくることでした。

セントラルヒーティングならぬ、センターヒータシステムです。

これはやってみると驚くほど、ムラなく、素早く加熱できて、しかも熱効率は最高に近く、スムーズに焙煎できました。びっくりするほど、ふっくら膨らんで、ドラムが比較的低温なため、十円ハゲもできないし、豆がかけたりもせず、理想的な見栄えの豆が完成します。焙煎後のハンドピックの必要性が薄れるくらいに等質にいれるのです。

ただし、これが成立するにはいろいろ難しい条件がありまして、ある程度の風を吹き込んでやらないと豆が焦げたり、ヒーターが故障したりします。

で、そうすると、単なる熱風式とほとんど変わらなくなってなおかつどうしても排気過多というか、スカスカの焙煎になりやすくて、要するに、好ましい味をだすような焙煎は困難でして、実験は中断せざるを得ませんでした。

その次に考えたのが真空もしくは脱酸素状態での焙煎です。

これについて究極の理想は宇宙での焙煎です。

太陽が当たる条件であれば、簡単な反射炉で焙煎に必要な熱は得られます。しかも、真空状態、しかも、無重力状態で、攪拌のムラなど考える必要はありません。反射炉の中で豆がブラウン運動みたいに舞っていれば、ほとんど全方向から、太陽の光と熱を取り込んで同時に加熱することができるはず、必要であれば、適切なタイミングで酸素を吹き込むなどしてやればいいのです。ただし、これは冷却についてはちょっと困ります。かなり大掛かりになると思います。空気がないのにどうやって冷却しましょう。いっそ、液体窒素でも吹きかけた方が急冷できていいかもしれませんが地球までどうやって持ち帰るかです。宇宙船の船員専用の贅沢な焙煎機でしょうか? 宇宙でも煎りたて。NASAに提案しようかと思ったくらいです。

その点、地球に縛り付けられたわれわれからしたら、本当の意味での究極は大気圏突入時の熱を利用した焙煎です。

大気圏突入時の数千度に達するであろう、熱をどう遮断するかが問題ですが、人間が帰ってこれるくらいですから、なんとかなるでしょう。大気圏を通り抜けるスピードと焙煎時間はだいたい揃えられるではないかと思います。これだと、純粋に位置エネルギーだけで加熱するので、無駄なコストはかかりません。酸素が徐々に濃くなってゆく条件はたぶん、焙煎には理想的ではないかと思います。最初は真空に近いので、豆の乾燥も早く終わるでしょう。なにより冷却の手間がかかりません。減速してから、そのまま風を当てれば、すぐに冷えるでしょう。もう完璧です。雨の日にはできませんが、そういう条件ではもともと着陸できないでしょうから、関係ありません。

例えば、宇宙旅行の終盤に大気圏突入時に煎った豆をおみあげに地球に帰還する、というのもいいんではないでしょうか、これ、よっぽど、イーロンマスクに提案してみようかと思ったくらいです。

 ちなみに、いろいろ実験してみると、焙煎にはある程度の酸素がどうしても必要なようでして、無酸素までなくて、低酸素状態でも、特に豆の中心で反応が進まず、焙煎そのものは正常にできているようでも、香りが立ちにくく、おいしい豆にはなりにくいようなのです。ですから、ロケットの推進剤の一部でも残しておいて、焙煎に使う必要があるかもしれません。

このように、宇宙焙煎、無重力状態での焙煎については可能性は感じますし、ロケットのブースターの回収のついでに珈琲を焙煎してくるとか、イーロンやホリエモンにもちかけようかと思ったりもしたもんです。深宇宙の真空で焙煎するのは、あまり意味がないかもしれませんが、これなら、商売になるかもです。