The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

焙煎機の余熱について考える③ 〜ディスカバリーでの焙煎を振り返って

ディスカバリーの場合、過去、フジロイヤル 東京支社で使わせていただいた時も、5バッチも焙煎していながら、思うように煎れたものは1つもありませんでした。

対照的に、そのとき、初めて扱ったにも関わらず、3キロの方は5バッチのうち、ある程度、うまくいったと感じたのが3バッチ、残りの2バッチは、浅煎りを狙ったつもりが煎り足りないと言う感じで、もう少し窯出しを遅らせるだけでも、ひょっとしたら、おいしく飲めたかもしれないという出来でした。うまくいった3つのうち、2つは自分が持ち込んだ豆で、他は東京支社で購入して初めて扱った豆でした。

今、考えてみれば、東京支社の焙煎機のメンテが完璧だったのが大きいと思うのですが、それなりに自信になったのは確かです。

この違いはどこにあるのか、ずっと謎のままでした。

しかし、ディスカバリー、いくら慣れれていないとはいえ、半日もかけて、まったく結果が出ないのは、自分が下手なせいとはいえがっかりでした。

実は、それもあって、焙煎合宿でも人の焙煎を見ているばかりでほとんど触らなかったのですが、先日、福津市のくつろぎさんのところにお邪魔して、他の方と一緒に煎らせていただく機会があり、久しぶりに扱って見たのですが、惨敗でした。

他のメンバーはさすがに毎日業務で数多く煎られているだけあって、ディスカバリーを所有されていない方でもしっかり、使いこなしておられました。

自分は、ほとんど、話にならなかったです。

全員合わせて、連続して6バッチくらいを2回やったのですが、毎回全然、違うんです。これはいろいろな意味で勉強になりました。

ここのところ、自分の焙煎機でうまくいっていないのも、ディスカバリーでうまくいかないのも、同じような問題が根っこにあるのではないかと思う節があったからです。

ディスカバリーなら、きちんと操作すれば、つまり、適切な火力を適切なタイミングで与えさえすればいいということはいえるのですが、今の自分の焙煎機ではそれができない。それはなぜか、一言で言えば、コーヒー豆にかけるカロリーの総量のうち、ある一定以上は、ドラム周辺から直接間接的に与えられる形か、比較的低温の熱風でなければならないところ、どうしても、300度以上の高温の熱が豆に当たる状態になっている。そこをうまく納めなければならないということ。では実際にどうするか、それはこれから、少しずつ実験しながら確かめて行かなくてはなりませんが、豆を加熱すると言う考えをやめて、まず焙煎機本体やドラムを適切な温度に持って行って維持する。つまり蓄熱性をコントロールすることが課題になると思います。

率直にいいますと、サンプルロースターとして評価の高いディスカバリーでさえもあのサイズだと、焙煎機としての特性は、どちらかというと、一般の焙煎機よりも、自分の焙煎機に近いところにいるのかもしれないと感じたのです。

ちなみに大阪本社でちょこっと触らせていただいた1キロも、ディスカバリーほどではないものの、3キロと比べると、予測のつきにくい感じがありまして、かつてはじゃじゃ馬と言われていたらしいのもうなづける感じがありました。

この体験に触発されて、またまた新しいテーマで焙煎機を作り直すことになってしまいました。

ああ、これで梅雨明けの本格営業が遠のくばかり、このままではお客さんに忘れ去られてしまうかも。