The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

極深から浅煎りに挑戦するということ

最近の個人的好みで言えば、どちらかというと、フルシティ前後の焼き加減で、焙煎直後の香りがはっきりしていて、なおかつ、2、3週間目位までほとんど風味の劣化を感じず、それ以降も徐々に柔らかくなってゆく、そういうコーヒーがあればことたります。

しかし、浅煎りには浅煎りの魅力が、そして、深煎りには深煎りの魅力があります。そして、その魅力をお伝えするのがくろちゃまめ の崇高な使命の一端と思っていますので、それぞれの焙煎度にあわせた焙煎環境を整えてゆきたいのです。

浅煎りについては、80年代の前半位まで普通に手に入った上質のモカマタリをベストの状態で抽出した時の、あの感動にせまるものを求めています。

中深煎圏については、色々なスタイルがあるとは思いますが、コーヒーの甘さ、カラメル感、樽で醸造したワインやウィスキーにも通じるある種の芳香とともに、私の求めているコーヒーのエッセンスが上手に封じ込められて、最低、20日程度持つことです。

極深煎りについては、(たとえば、羽釜で炊いたお米は美味しいけど、その中でも焦げた部分の周辺がいいとかそういう世界です)極深煎りならでわのアクセントと中深煎りでは感じにくい、グリセリンのようなトロリとした濃厚な感じが表現できたらと思います。もちろん、その中には、濃度では中深煎りには叶わないものの、より劣化しにくい形で、私の求めるコーヒーのエッセンスが封じ込められている必要があります。極深煎りに耐えうるには、そうとう上質のいい豆が必要になりますし、あまりニーズはないので、商売としては成立しにくい世界ですが。

それと、やはり深煎りを極めるならば、ゆくゆくはエスプレッソにも挑戦したいところではあります。(イタリア流そのままだと、ぜんぜん日本らしくないので優先順位は低いです。)

あと、せっかくの時代の流れなので、いわゆるスペシャリティにも対応してゆきたいと思います。もっともハンドドリップする時点で、グローバルには、広義のスペシャルティの定義を十分に満たしうると思っていますが、日本では結構、それがあたりまでですから、アピールになりません。日本らしい、九州らしい、北九州らしい、スペシャルティとはどうあるべきか、ここいらももう少しじっくり考えながら取り組んで行きたいと思っています。

ということで、くろちゃまめなりのスペシャルティとは、オリジナル焙煎ということになってしまうかも、です。