Coffee Beans Kurochamame

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小さなおなべの宇宙論 ② ミクロの小宇宙 micro oven or a micro universe?

1はぜの前後にビックバンにたとえられるほどの大きな変化が豆の中で起こっているのではないかと書きました。

そしてハゼの衝撃波が伝わることでまめの中の新しい成分の生成が促されているのではないかとも書きました。

いずれにせよ、1ハゼのタイミングの豆の中は、いってみれば圧力鍋みたいなもので、水蒸気の内圧がぐぐっと上がって、最後にポンと弾けるわけです。

その温度は、計測方法によっておおきなばらつきがありますが、通常の焙煎機で計測される値でいうと、おおよそ160度から200度までの値のどこかしらとなります(フジの小型焙煎機ならだいたい185度位)。

ちなみに一般の圧力鍋の内部温度はほとんど120度台くらいまでにしかなりませんので、ひょっとしたら、1ハゼのタイミングでの豆の内圧は相当高くなっているのかもしれません。

 おまめは一つ一つが小さな圧力鍋のようなもので、実際に焙煎中はシュウシュウ蒸気を吐き出しているのです。

圧力鍋を使ったことのある方なら、ご存知かと思いますが、最初に中火以上の火力でいったん、圧力を上げてから、弱火にし、適切な時間が経ってから消火して、圧力が下がるのを待ちます。

コーヒー豆の焙煎においても、やはりある程度の火力の調整は必要になることが多いのですが、特に焙煎の前半に可能な限りすばやくある程度の温度に持ってゆくことが、スムーズな焙煎のために必要になります。この辺りは、圧力鍋での料理だけでなく、フライパンでの調理など一般に食材を炒める工程に通ずるところがあると思います。

と言いますのは、この過程で火力が弱く、豆から出た水分で蒸れたようになると嫌な匂いがしてくることがありますが、そうなってしまうと、後半火力を上げたところで、独特の雑味や渋みが生じやすいのです。早めに対応すればある程度は救えますが、大抵そのような匂いがした時点でほとんどの場合、手遅れです。

それを防ぐためもあって、ドラムの中でおまめが回転するタイプの焙煎機の場合、ドラムとドラム周辺の蓄熱性に頼る部分が多く。またトラムを持たない熱風式の場合もそれなりの風量と適切な温度のインレットで加熱してゆく必要があります。熱風式でもシリンダー部分に一見すると過大な蓄熱性を確保している機種がありますが、これは焙煎を安定させるためにどうしても譲れない部分になるかと思います。