The Coffee Roaster House

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小さなおなべの宇宙論⑤ 2ハゼとは何か Is send crack a super nova?

コーヒー豆が加熱されて、最初にぱちっとはぜるとき、それは1ハゼと呼ばれます。はっきりいって、ポップコーンができるのと大して変わらないくらいの温度です。もっといえば、ポップコーン製造機でコーヒーも煎れたりします(安いものほどバイメタルの温度センサが使われていて、20度〜30度くらい高めの温度になってくれるので、浅めのミディアムくらいなら大丈夫)。その先、さらに加熱してゆくと、今度は小さくピチピチとした音がして、2度目のハゼが起こります。

これを2ハゼと呼びます。(ポップコーン製造機では無理です)

この、2ハゼとは何か、ここで少し考えてみたいと思います。

ところで、スーパーノバ(超新星)という言葉をどこかで聞いたことはありませんか?星の最期(死)に相当するとも言われる超新星爆発のことです。

その衝撃波が遠いはるかな星雲にまで伝わって、新しい星の誕生を促しているという説をご存知だったでしょうか?

そして、太陽よりも大きい星が最後を迎える瞬間の超新星爆発やその後に起こる様々な現象によって新しく生まれた物質が次の世代の星の種になって、今の太陽系や地球のような様々な元素に溢れた世界を作り出してゆくという宇宙の進化の歴史をお聞きになられたことはないでしょうか?

(星の重量によって運命は変わりますがここでは細部ははしょります。)

くろちゃまめは、コーヒー豆の焙煎の最中にも同じようなことが起こっているような気がいつもしています。

そう、つまりある程度の深煎りに耐える豆であれば、2はぜ以降にこそ、別の世界が開ける可能性があるのではないかとさえ思っているのです。

ただし、そこでは、かなりの部分、最初の原始宇宙に溢れていた物質は吹き飛ばされてしまっているかもしれません。そういう意味では2ハゼが完全に終わってしまった世界(フレンチ以降)には何も残らないと主張する方の気持ちもわからないではありません。

 そもそも世の中には2ハゼ不要論みたいなことをおっしゃる方が昔からおられて、特にスペシャリティが流行り始めて、その傾向が加速しているような気がしています。

 2ハゼ後のおまめは実際に黒くなって最後にブラックホールみたい(イタリアン)になっていってしまうので、いい成分は何にも残らない。そう思うのも無理もないと思うのですが、2はぜ後に生じる豆の隙間にたくさんの炭酸ガスを主成分としたガスが封じ込められることが、時に、新しい豆の魅力を引き出す引き金になっていると感じられることもしばしばありまして、くろちゃまめとしては少々賛同しかねるところがあります。

ただ、このブラックホールだらけのイタリアン段階に行きますと、もともとのおまめの特徴は影を潜めてしまいまして、かなりコーヒーに精通した方にとっても、もともとの産地を特定するのが難しい状態になります。

また2ハゼをしっかりとってしまうと、どうしても必要以上に油が回った感じになるので、なければないでいいし、豆の個性や求めるコーヒーのスタイルによってはない方がいいと感じられる場合が多いとは思っています。