先週、焙煎したうち、最後に残っていたケニアを1.5キロほど焙煎したものがほぼ唯一、狙っていた甘みが十分に出ていて、まずまずの出来でした。
といってもこの時点ではまだ排気が不十分だったので、特に焙煎直後は排気不足気味に感じられ、少し平凡というか、直火に比べると退屈な味で焙煎初日は、ほとんど廃棄しかかったくらいなのですが。
それでも、ケニアにも色々あるのですが、だいたい今回焙煎した傾向のものだと(一般には難しいと言われているケニアですが)大きく外しません。
これまでの迷走を振り返ってみて、やはり、一番大事にしなければならないのは、第一に原料かもしれません。
もちろん、世の中には、そんなに特別な材料でなくても、おいしい料理を作られる方がたくさんおられるように、高級な豆を用意しなくても、しっかりとした焙煎をされておられる方はおられるわけですけど、自分がコーヒーに求めているエッセンスを必要十分に表現するには、やはりある一定以上の品質の原料が必要でまず、それに合わせた焙煎が安定してできる環境を整えることからはじめなくてはならないようです。
なのに、これまではコスパを必要以上に意識したり、一般受けするテイストを出すことを考えてしまう、といったことが回り道の原因になっていました。
今振り返ってみると、欠点はあったものの、最初に、小さな改造機で一定以上の品質の豆を使ったものだと、ほとんど初めて焙煎する豆であったとしても、直火らしく、なおかつ自然の恵みを感じられる焙煎になっていたと思います。
直火ならではのテイストを消そうとしていたのが、もうひとつの主要な迷走の原因でもありました。
まずまずの出来と思っていたモカマタリですが、豆自体のポテンシャルもあって、存在感がありません。
原料のせいにはできませんが、やはりイエメンのマタリは昔のマタリと同じと思ってはいけませんね。イエメンの平地近いところに自生していたものを寄せ集めてちょっとだけ丁寧に選別して製品にしたような、そんな感じです