The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

焙煎の3大要素

(アクセスもないことだし)理論というと大げさですが、(独り言として)自分なりの考え方を一旦整理してみようと思います。

焙煎の3大要素があるとすれば、

1、GREEN  原料の豆(栽培(収穫)・精製、輸送・保管)

2、ROASTER (焙煎機・焙煎者)

3、ENVIRONMENT 地域の風土(地域消費者の嗜好、水質、大気の条件、気候、焙煎豆の保管条件)をあげたいと思います。

まずは、豆がないと話がはじまらない。コーヒーを飲む(評価する)人・条件がないと成立しない。そして、その間を繋ぐ、焙煎者とその道具が存在しなければならない、この3つです。 

最近、痛感するのは、しっかりとした焙煎が成立するには、全てが必要とはいえ、自分がどのような条件のもとで焙煎しているかという部分やどのような相手(あるいは目的)に向けて生産してゆくかという点がもっとも重要だということ。

まずは、なにより、評価の前提条件が大切で、やはり指導者について、その焙煎の指導を受ける地域に実際に赴いて、その土地の水と空気の中で実際にコーヒーをたててみて、焙煎とコーヒーに対するしっかりとした評価軸を持つことが焙煎の技術そのもの以上に必要になるという気がします。

それから、特に最近感じるのは、焙煎は直後からの保管条件や利用方法とセットで評価しなくてはならないということです。

実は、焙煎の評価は焙煎直後では困難で、しかも保管条件で大きくブレてしまいます。そして、評価時期や評価方法でも大きく変わってしまいます。ドリップバッグ にするのに最適な条件と普通に豆でお分けするのに最適な条件は必ずしも一致しません。

またコンテストのように焙煎直後に評価されうるものと、日数が立って、良さが現れてくる焙煎とは、一致する場合や高い次元で両立する場合もあるとは思いますが、かけ離れたものになることも多い。(特に自分の場合は数週間から数ヶ月楽しめる日持ちの良さを重視していますから、その変化の度合いは大きくなりがちです。)

焙煎単体で評価することは実は無理であること。ある一定の範囲に収まっていさえすれば、焙煎に明らかな失敗というのは思ったほど、ないと思うようになりつつあります。

というのは、焙煎で狙い通りにいかなかったと思う状態と、焙煎後に変化してしまったと思う豆の状態を正確に区別するのは、意外に難しい。

かなり世間で評価の高い焙煎でも、ちょっとしたことで、思うようなコーヒーにならないことはままあります。

焙煎後にゆとりのある大きめの瓶に入れたもの、ぎっしり詰めたもの、ビニールに入れたものでは経過は全く異なります。

ただ言えること、良質な原料はめったに裏切らない
それと、やはりスキルさえあれば、どんな材料であっても
それなりに喜んでもらえる結果を出すことは不可能でないこと

 それでも誤解を恐れずにいえば、何かをごまかすような焙煎はしたくないものです