一般的に感覚は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚
の5つが五感と呼ばれています。実際には、人間にはもっと
高度な認知機能が潜んでいると思うのですが、今回は横に置いて、これらの中の味覚のポジションについて考えてみようと思います。
これらの感覚に上下関係があることは間違いないのですが、それはどういったメカニズムによっているでしょうか。
例えば、よく人間は視覚優位だとか言われます。またブランド品に弱かったり、イメージに引きずられたり、純粋に味のみを判断するというのは、たぶん、誰にとっても不可能に近いのです。
その理由も含めて考えて見たいと思います。
視覚や聴覚は人間の体から遠く離れた場所にあるものを認知するのに適した器官です。
つまり、遠くの危険を前もって察知できる。人間ほどの高度に社会的に発達した生物であれば、その意味合いは相対的に後退していると考えられますが、野生動物にせよ、他のもっと原始的な動物にせよ、捕食者や危険から身を守って自分の生命を維持するのは最重要課題ですので、光が届く世界にいれば、視覚が優先されるのは、自然なことでしょう。
聴覚は360度効くとはいっても危険のおおよその方向や襲ってくるタイミングが測れて、吠え声で相手のサイズやらが類推できたとしても、視覚ほど複雑な情報は伝えてくれません。(ただし、隠れているものの気配を感じたり、暗闇では視覚以上に頼りになるので、視覚と同列と言えるかもしれません。)
その意味で、陸上で生活する生物のうち、人間のような高等生物の場合、視覚(場合によっては聴覚)が優先となるのは自然な成り行きかと思います。
この2つの他に、相手に触れずとも、つまり大きな危険を侵さずとも、情報が得られるという点では離れた場所の情報を教えてくれるのは嗅覚があります。ただし、匂いを嗅いだ状態でその、不明な化学物質を体に取り込んでいるのですから、その意味では、匂いを嗅げる地点まで近づいた分のリスクは生じています。
そして、次は触覚および味覚です。
それでは実際にコーヒーもしくは未知の食物を食べるかどうか判断する場合に置き換えて考えて見ましょう。
まず、目で見て、食べられそうか、判断しようとする。
(通常、食べ物は喋らないので、聴覚は横に置いて)
次に危険なにおいがしないかを確かめる
いよいよ手を出す(間接的に触覚が働き、同時に温度を確認する)
最後に舌で味わって、最終的に飲み込んで良いか判断する。
といった順番が考えられます。
味覚が最後にくるのは、自然なことです。最終的に体にいれてしまえば、後戻りができないので、舌に乗せるまでにいろいろな関門を潜ってからでないと安心できないのは、体を守る上でごく自然な行為です。
特に、人間のような社会的な生物の場合は、他者の評判やブランドイメージが時には視覚以上にアピールするでしょう。つまり絶対安心な情報をなるべく自分の体をリスクにさらさないで得ようとしているのです。
これは生物の基本であって、どうしても動かせないこと
社会的情報 視覚(≧聴覚)嗅覚 触覚 味覚という順番はすべての人間に働いている共通の原則と言えると思います。
そして、このことからいえることは 本当にたくさんあります。