The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

よい焙煎、悪い焙煎、そして

何をもっていい焙煎とするか、またはいい焙煎ができている指標みたいなものをあげるとしたら、どのようなことがあるでしょうか?

よく言われるのは、豆が白っぽくなる、柔らかくなる、膨らむ、再び固くなって色が付き始める、しわが出る、しわが伸びる、真ん中がぷくっとふれくたみたいになる、それがさらに全体が膨らんで、目立たなくなる、最後にちょうどいい煎り具合で終了。

といったプロセスがしっかり確認できるのがいい焙煎といった外観を中心とした見分け方が唱えられます。ただ、特に手網などそうですが、気が付いた時には色が付き始めていて、ちょっとムラがあるまま、最後まで行ってしまう、それでも意外においしいということもあったり。(いい豆の良さがわかりやすいという程度とおもってもらってかまいません)

他にも、思いつくままに、あげてみます。

1 焙煎開始から、いいタイミングでチャフがドッとはがれてくると、乾燥がうまくいっているサイン→ 産地や製法、農園やロット、粒の大きさなどによるばらつきが多くて、一般化は難しい。いつものあの豆でいつもの焙煎でなら、一応、目安になるかも。

2 焙煎度が同じなら、豆が大きく膨らむほど、いい焙煎である→ 膨らみ具合がよくても、コーヒーらしい味や香りがさっぱりの焙煎の説明がつかない。

3 ムラがなく、きれいに揃っているのがいい焙煎である。→ ムラがあってもびっくりおいしいコーヒーになる可能性もあるし、わざわざ焙煎度の違うものをブレンドすることもしばしばあることの説明がつかない。一方でムラがなくてもたいして、おいしいと思えない珈琲も結構、あるような、ないような。

4 途中、水蒸気がドッと出てくるような感じがあると、うまく焙煎が進行している→ 最大容量近く焙煎していると、フジの場合、テストスプーンのところから蒸気が噴き出す感じになることがありますが、単に排気が絞り気味のままで焙煎しているだけかも。(ただし、たとえば過熱水蒸気が発生する条件を満たして焙煎できている可能性もあります)

5 途中、紫色のけむりが立ったら、いい焙煎のサインである。→たぶん、カラメル化やメイラード反応が順調に進行しているのでしょう。というか、テストスプーンから、煙が出るなら、もともと、排気が不足気味です。いそいで、なんとかしましょう(特に半熱風の場合)。ということは早めに、ダンパーを開けると、煙が出ない代わりにもっとおいしくやけるかも(直火の場合は、そんなに慌てなくてもいいと思います)

6 カラーチャートをみて、いつも同じ色に焼けているのが、再現性の高いよい焙煎である。→ 粉にしないと、わからないこと、実際に飲んでみないとわからないことの方が多いと思っています。

7 焙煎直後から、ぱりぱり、ぽりぽり、まるでせんべいのようにかじれるのがしっかり芯まで火の通ったよい焙煎である。→ このような仕上がりになる条件での煎り止めのタイミングは非常にシビアで、いい豆ほど場合によっては、2,3秒程度でベストの状態は通り過ぎて、すかすかになってしまいかねないので、逆に言えば、魂の抜け殻を拾っている可能性も相当あります。

8 焙煎中にいい香りがあたり一面に発散する焙煎がいい焙煎である。→焙煎量が大きくて、脱臭装置が付いていないと、そうなりますが、小さい窯の割にいい香りが強く発散しているなら、それだけ、豆の中のいい成分が抜け出て、豆の中には残っていない可能性も。

9 焙煎の前後にしっかりハンドピック(通称)で選別するのが正しい良い焙煎である→G4ぐらいになると、全部の豆を取り出したくなることもあります。(取引先による)G2ぐらいだと物によってはある程度ハンドピックで救えます。でも取りすぎると、お豆の魅力もなくなることがしばしあり。G1だと、物によっては、何もしない方がよいと感じられるケースもあり得るのでは?(いわゆる死に豆とか明らかな未熟豆や石、カビだらけの豆が混入していない前提で)

10 農園指定の良質の豆を仕入れて、焙煎するのがよい焙煎である。→いい豆だと、どうやっても、それなりの美味しく飲めるので、間違ってはいないと思います。たぶん。でも7割8割がコーヒーメーカーで半日分いっぺんに淹れてゆっくり飲まれるような方々に粉を売る状況だといろいろ難しい(かえって酷評をあびたりしかねない)し、オーバースペック気味かも。

11 煎りたての焙煎、オーダー焙煎こそが、正しい、究極の焙煎である。→特に普段スーパーの粉やら、半額セールで飲んでいる方に本当の煎りたてをお分けしたりしようものなら、こんなお湯の通りの悪いのは粉が細かすぎ、とかいろいろいわれて、大変なことになりかねません。本当の煎りたてを評価してくださるお客さんに恵まれているお店はちょっとうらやましいです。(この点はおもいっきり高価格帯で売り出せないとかえって、苦労しそうですし、都会だから成立しやすいことだと思います。いっそ全国、いや世界を相手にした方がまだまし)

12 プロバットやギーセンなど世界的に評価が定まった焙煎機による焙煎が正しい、良い焙煎である。→失敗しにくいので、一理も二理もあると思います。お好みに合えばどうぞ。というほかありません。

まだまだ、たくさん上げられそうですが、キリがないので。くろちゃまめとしては、まず、普通の焙煎を心掛けた方がよさそうです。