The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

日本のラーメンと珈琲

今日、日本を代表する食として、世界に知られるラーメン。今では中国の麺料理とはまったく別のジャンルとして定着しています。そして、もちろんのこと、イタリアのパスタともしっかり区別されます。

中国で大々的にチェーン展開している店があったり、インバウンドの中心にあったり、日本を訪れる欧米人の中でも広く知られていて、目当てに観光したり、楽しみにしている留学生がいたりします。

ところが、日本で初めて今のラーメンに近いスタイルでの一般への提供が始まったのは1910年。1888年とされる最初の珈琲店より遅いくらいなのです。

いったい、どうしてこの差が生じたのでしょう?

日本で最初にかんすいを使った麺が振舞われたのは1488年ではないかといわれていますので、その点では300年近く古い。でもこれは一回きりのことだったようなので参考記録程度でしかありません。(珈琲の伝来は1788年より少し前)

違いを作った理由として、一つ考えられることは、ほぼすべての材料を自給できるラーメンと違って、コーヒーがもっぱら、輸入に頼らざるを得ないことが影響していると思われます。

ただ、それをいうと、ヨーロッパやハワイをのぞいたアメリカ合衆国でも、珈琲の木は育ちません。

にもかかわらず、イタリア発祥のエスプレッソは珈琲の代表的な楽しみ方として定着し、シアトル発祥のチェーンはオーストラリアを除く、ほとんど先進国と途上国に版図を広げ、珈琲の器具や焙煎機に関してはいまだに存在感を発しつつづけるドイツをはじめとして西欧のメーカー多数あり、ウィンナコーヒーなどのアレンジ珈琲のルーツもあり、さらに北欧諸国はスペシャリティのメッカと見なされたり、世界一の消費量で知られます。

そのほか、ベトナム式の珈琲の楽しみ方など、産地特有の楽しみ方も知られてきました。

しかし、日本は…どうなっているんでしょう。水出しコーヒーもルーツはオランダですしね。

日本の場合、主要な産地と大きく離れていること、そして、コーヒーベルトに植民地を持てなかった歴史的背景が影響しているのはたぶん間違いないです。この件は、後述。