The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

続々 ニッポンとアメリカ 山本五十六の謎

頭脳、体力、人間力、おそらく、考えられるすべての資質において、ずば抜けていたはずの山本。

しかも10歳の頃には聖書に親しんでいたと言われる山本。

なんども渡米してその文化を理解し、帰国後もアメリカについての研究を怠らなかったとされる山本。

その聡明なはずの人物がアメリカに戦争を仕掛ける作戦の指揮をすることになったというのはある意味、信じられないこと。

かえすがえすも、どうしても腑に落ちないところです。

かれも人の子、やはり長い海軍生活の中で、海軍の価値観に染まり、当時の日本の世相に流され、海軍人としての立身出世を求める気持ちから、当時の日本に流れていた時代の流れに乗らざるを得なかったのでしょう。

今、21世紀の時点では異様に思えることでも、あまりに思い上がった行動に思えたとしても、当時としてはある意味、もっとも違和感のない選択だったのでしょう。

のらくろという漫画をご存知でしょうか。私の小学生低学年くらいまでは、それなりに内容が引用されたり、転載されたりということがあったし、叔父が復刻した単行本を持っていましたが、この中で、日本はアジアの一等国というフレーズが繰り返し出てきます。

日本は色々な理由があって、アジアの辺境、黄色人種の国でありながらも、その軍事力もあいまって、欧米諸国の列強と同じテーブルにつくことができていたのですが、そういったことが可能になったのは、力もさることながら、もっと深い、文化的な背景があったのです。詳しくは述べませんが、日本はアジアの中できら星のようにひかる国であったことは疑いようもなく、それゆえに、それなりに尊重されていたは確かですが、あくまでもオブザーバーみたいなもの。

当時の日本人は明治維新の前後の尊王攘夷論者が撒き散らした、醜悪で強欲な白人のイメージに引きずられたり、いろいろ勘違いしていたし、やはり国全体として思い上がっていたんだと思います。

国際社会の中では新参者だった日本。本当にアジアの盟主として、先頭に立っていこうとするなら、まだまだ忍耐してもよかったはずでした。当時、欧米列強と同じテーブルを共有できるだけでも特別待遇だったのに、軍事力を恃んで無謀にも戦ってしまいました。

 

つまり、缶コーヒーやインスタントをこの時代にいくら持ち込んだところで、この時点ではどうにもならないということかもしれません。

ということは、やはり、20世紀初頭よりもっと前の時代に遡るしかありません。

遥か彼方にタイムスコープのターゲット拡大!!