The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

ひさびさの帰宅 ①

この日、長い間、特養に入っていて、家族との面会さえも叶わなかった父が実家に帰ってきました。

呼吸困難に陥り、病院に担ぎ込まれた父は、そもそもが、植物人間に近い状態と言っていいくらい、無反応に見える時間帯が多く、このまま生きてゆくのは本人にとって、辛いのでは無いかというのが私以外の家族の意見でした。

父は病院の車で実家に帰ると最初は車椅子の上で、親族と最期のお別れということで面会をしました。

父方の叔母一人以外は、ほとんど母方の親族で占められていました。(父方の本家とはうまく連絡がつかなかったようでしたが、後で申し訳ないことをしたと思った時には遅かった。)

この時点で父はまだ半分眠っているような状態でしたので、形だけ、声をかけて、なんとか父が反応しているふりを装って、場を取り繕っている状態でした。

その後、緊急事態宣言の出た東京にいて、帰れなかった妹夫婦に電話が通じて、孫の声も聞けたのですが、さっぱり反応はありません。

やっぱりね、という空気がそこはかとなく、漂いました。