朝8時の時点で、2日目とは違い、呼吸も脈拍もいくらかは弱ってはいるものの、むしろ呼吸のリズムは規則的になって、しっかりしてきました。朝の状態をみて、瞳孔が開いていたのに、と次男もびっくりしていましたし、訪問してくださったSWの方も予想外といった反応をされていました。
父の体に温かみがある程度戻ってきていて、穏やかな状態でたまたま母と3人でいるとき、母に本当にこのまま逝かせていいのか尋ねてみることにしました。
普通なら死んでいてもおかしくない状態でこれだけしっかりしているのは、本人の生きようとする意思が強いからで、そうじゃなきゃ、絶対ありえんことで、こんな状態で 逝かせてしもうて、本当にいいんか?
最初、母は、ただ次男がいうからと繰り返すばかりでした。
次男はおそらくトリアージや医療の初歩を学んだことがあり、自信があるようでした。
一方、母はこれからの生活により一層依存することになる弟夫婦に同調せざるをえないというのもあったでしょうし、何より、10年間に渡る父への介護で疲れ切っていました。
それと田舎特有の主治医のいうことは絶対という価値観。
自分に話してもしょうがないから、父にちゃんと話して了解してもらいなさいと母に促して、話してもらいました。
事故以前の父なら怒り狂って、家を飛び出して、40キロ位走っていきそうな状態でしたが、意外と父の反応は冷静でした。
かならずしも、母の世話になる必要はないという感じ。
このことで、家に帰れないでかわいそうと思われていた特養での生活も父にとっては、ちゃんと意味のある時間だったことが後になってわかるのですが。
それはさておき。
それでもまだまだ
父の生きたいという気配がかすむことはありませんでした。