The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

3日目 ③ なぜ、なんのために生きるのか

父は自分の父親を戦争で無くしたために、幼い頃から、ててなしごといわれていじめられて散々な目にあったそうです。

その鬱憤も含めて、よっぱらうと、いろいろ家族にぶつけてきたことさえありましたが、これこそが、父の生きるエネルギーの源泉でもありました。

父をいじめたどの人間よりも長く生きてやる、それが父にとっての復讐であり、生きがいみたいになっているところがありました。

会社で、学歴の差やらなにやらで、バカにされたり、嫌がらせを受けることは日常茶飯事だったようですが、そのたびに、絶対こいつらより、長生きしてやると思っていたようです。

ですから、とにかく、健康を維持するための、長寿へのかける情熱は異常なほどでした。

そのためにはどんなことでも犠牲にする。どんな苦しみがあっても、諦めない。

それが父の生きる原動力でした。だから、ほとんど植物状態に近い状態になっても、どうしても、100までは生きて生きたかった。

それが父の本心であり、意思であったのです。

ただ、その目的に沿っていうと、父のかつての同僚も含めほとんどの方が鬼籍に入ってしまっていてすでに父は勝利者と言える状態でした。父方の男兄弟もすべて亡くなっていますし、同世代の中で十分に長生きなのでした。