昼になって父の様子が穏やかなのに気をよくして、少し日に当ててあげようかという話になり、家族で初めてではないかという共同作業で父の布団を持ち上げて、茶の間に移動して、真冬の昼間の太陽を浴びてもらいました。
次男はちょっと安心して、このままひょっとしたら、一週間くらいもつのではないかと思い始めている様子でした。
日光浴は最初10分くらいにするつもりでしたが、父が気持ちよさそうにしていたのと、夏と違うからいいかと油断して30分近く、体の一部に太陽の光が届く場所にいて、しばらくして奥に移動しました。
その後、熱感を感じて、体温計を探しているうちに、母親が何も考えず、分厚い布団を被せてしまったときには、思わず怒ってしまいました。
明らかに体感で熱いのに、確認もせずそのまま布団をかぶせるなんて何考えてんの!
またまた体温は急上昇して、いったん安心して家に帰りつつあった次男に頼んで解熱剤を買ってきてもらうことになってしまいました。
その後も、親戚の方がいらしたりして、見守っているなか、父の規則的な呼吸は永遠に続くのではないかと思えるほど、力強く延々と途切れないのでした。
ここにきて、父の様子を見てみると、もう完全に父の人格の片鱗はなくなって、ただ呼吸中枢など生命維持に必要な脳幹だけが機能しているような状態に見えました。
少なくとも確かにこの状態では医者のいう通り、痛みは感じていないよな。
ここまできて、どうして父がそうまでして生き長らえようとしているのかよくわからなくなってきてしまっていました。
やることがないので、壊れかかっていた玄関のチャイムを交換しました。