The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

それからの延長戦 ②

2日目の昼にはなんと病棟の看護師さんがSWさんと一緒にきていただいて、父の様子を見ていただきました。

昨日よりも落ち着いている様子に少し驚いているようにも見えました。急場で作った吸入器をお見せして説明すると、(社交辞令かと思いますが)勉強になりますとおっしゃって帰られました。

その後、ぱったり、人が来るのが止んで、二人きりになった時に、父に語りかけてみました。

お父さん、昨日は妹夫婦やら、孫二人やら、テレビ電話で話せたの、わかったじゃろ、あとはもう思い残すことはねえな?

本当は会いたかったじゃろうけど、今、東京はコロナで大変じゃからこれんかったんで、妹も本当はかえりたかったんで。

とここまでは、父はうんうんとでもいいたげな雰囲気ではありました。ここは、少々意外でした。もっと、妹のことをしつこくこだわると思っていたのですがそうでもなかった。その理由は後でわかりました。

しかし、次の一言には別の反応が返ってきました。

なあ、まだまだ生きてえのはわかっちょるけんど、人間、執着を捨てて、本当に仏様のようになって、あの世に帰えったら、どこでも好きなところに行けるちゅうし、49日の間は自由に縁ある地上の人のところに挨拶に行けるちゅう話もあるけん、こげん、不自由な体で踏ん張らんで、そろそろ と言いかけると、

そげんことは、父にはわからん、という明確な拒否の波動が返ってきたのです。

この後に及んで何にこだわっているんだろう、と頭を抱えそうになりました。

そうじゃなあ、俺もできんことを父さんにするようにいうのはまちごうちょるかもしれんけんど、でも見えない世界に助けちくるる人がたくさんおるはずじゃけん、心配ねえはずで、と答えるのが精一杯でした。