自分がもっとも古い記憶として覚えているのは、まだまだ小さくて、風船のようなものが目の前でチラチラしていて、輪郭も曖昧で、色だけがわかるような感じ。その何かおもちゃか風船のようなものを追いかけているうちに、何か水に入って溺れたようなそういう記憶です。
まだ自分がきちんと立って動くことができず、半ばはいはいしていたかもしれない大昔、かつて父は会社の近くにあった社宅の庭に手を入れて、池を作ってしまったことがあったのです。
そこはすでに将来取り壊れされることが決まっていたらしく、それで好き勝手にできたようです。
で、せっかくできたその池に最初に溺れたのが自分でした。
で、その後、父はせっせとせっかく作った庭を埋め直したのでした。