The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

コーヒーの国

日本人にとってコーヒーの国といったら、いまでもブラジルをイメージされる方はやはり多いかもしれません。もしくは原産国とされるアフリカ、特にエチオピアあたりだったり。

でも紅茶の国といったら、たぶん今でも、イギリスをイメージされる方が多いであろうように、生産国でないといけないという決まりはないでしょう。

実際にイギリスのために紅茶を作っているのはケニアだったり。また近年は高級な紅茶といえば、フランスがいいとか言われていて、その原産地は中国だったりすると思いますが、ようするに、最終的に紅茶を商品として仕立て上げる際のセンスが重要視されるわけです。

そもそも、コーヒーがコーヒーとして成立する瞬間がどこかといえば、やはり焙煎完了後でしょう。

液体として抽出できるようになる瞬間はミルで挽いた時、粉砕されれば、何らかの溶媒(普通は水)に浸しただけで、コーヒーという名の液体になります。

よく知られている通り、コーヒーらしい香りや味が生成されるのは、主に1ハゼ の前後以降です。

生っぽい香りと味の豆から、誰しも、コーヒーを連想させる匂いとテイストが発生し、かじっただけでも感じられるようになる瞬間です。

コーヒーをコーヒーとして最終的に成立させる工程を担うという部分においては、日本も十分にコーヒーの国を名乗れる資格があります。(というかわざわざ自らなのるものではないとは思いますが)

かつては主要な産地が遠いハンデ、戦後の敗戦国としてのスタートと合わせて、歴史的な結びつきが欧米諸国より浅いこと、また経済をはじめとした絆が弱いことなど、多くのハンデを背負っていました。

しかし、長年、GGPで世界第二位の地位にあって、今でも3位の座をキープできていること、航空機の発達とともに、流通段階での劣化が抑えられてきたことなど、21世紀の世界において、日本がコーヒーの世界で主役に立ててもおかしくない条件は十分に整っていると思います。

何より、焙煎のような作業は日本人の特性にあっていると思いますし、食品加工の技術も高度に発達しており、他の国ではあまりみられないいろいろな商品がコンビニやスーパーに溢れている日本だからこそ、作り出せる新しいコーヒーの潮流というものがあるはず。

これからの世代には、ぜひ日本ブランドの新しいコーヒーの潮流を生み出していって欲しいなあと、思っています。

しかし、何より、まずこれから自分に何ができるか。これが目下、1番のテーマです。