The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

続x4 美味しさの基準

本当は毎日、10バッチずつ位焙煎できたらと思っていましたが、保存するキャニスターも空きがなくなり、どうにもならず。

実は最近、左手を負傷してしまって、洗い物をするのも不自由で、いろいろなことが止まっていましたが、なんとか今日になって、負傷した指以外はある程度効くようになりまして、徐々に片付け始めました。

さて、人が美味しさを感じる要素のうち、中心的なものは、心身に直接作用する、芳香物質の働きによるものではないかとくろちゃまめは捉えています。

心身と言ってもここでは、いわゆる深層心理学で扱うような深いレベルの話や人間が言語中枢を使って行う高度な思考と離れた、ごくシンブルな、体を通して、精神に働きかける作用のことです。

温かい飲み物を飲んで、体があたたまると同時に、こころも温まったように感じるように。コーヒーの、特に芳香物質によって引き出される様々な反応はすべて、おいしさにつながるなにかです。

もちろん、揮発成分のなかには、人が不快さを感じるものもあるわけですが、極微量の毒物がかえって、くすりになるなど、体に良い作用をすることがしばしばあるように、不快のもととなりやすい成分さえも、微量であれば、往々にしてコーヒーのコクを増強することにつながるなど、おいしさをささえる重要な要素として働いている可能性さえあるのです。

つまり、新鮮かつ腐敗していない食用とされる植物にはなんらかの精神を高揚させたり、心身の賦活作用のある成分(珈琲の場合は焙煎前後に生成される成分の元になる物質)が含まれていて、いわゆる、実際に身になる栄養分以上に、人間にとって好ましい作用、もしくは反応を引き起こすことができ、それをおいしいと感じているのではないか。それが特にコーヒーの場合、おいしさの中心的なところにあるのではないかとさえ、考えるのです。

ただし、これはあくまでも物質レベルの話になります。