段階 | 周波数 | 総圧≒動圧として扱います | ||
予熱前 | 連続焙煎時 | 予熱完了後 | ||
-1 | 7.3hz | -3.5pa | -3.5pa | -3.5pa |
0 | 8.8hz | -5.5pa | -5pa | -5pa |
1 | 11.1hz | -10pa | -9pa | -9pa |
2 | 12.5hz | -14pa | -12.5pa | -12pa |
3 | 14.7hz | -17pa | -16.5pa | -16pa |
4 | 17.7hz | -28pa | -25pa | -23pa |
5 | 21.4hz | -35pa | -34pa | -33pa |
6 | 25.5hz | -50pa | -46.5pa | -45pa |
7 | 30.8hz | -71pa | -69pa | -66pa |
8 | 35.4hz | -100pa | 強制空冷 | 夜間 |
9 | 45hz | -150pa | 標準 | |
10 | 72hz | -200pa | 暴風 |
-1は予熱段階 8〜10は冷却時のモードで焙煎にはむきません。
0〜7までの8段階が焙煎中のモードで、ファンに供給する電源の周波数で定義します。
7の位置(30.8hz)でバーナーOFFで71paを示す位置に合わせます。※
(ある程度、ダンパーのダイヤルで操作する場合と対応させたかったので)使いやすい2〜5ないし6あたりのポジションを中心に調整すれば焙煎可能なように意識して設定してあります。(私の場合は、ダンパーの代わりにARTISANに作った対応するボタンを押して記録しています。またここに示す値は日によって少し変動します。)
現実の数字は火力のバランスなどでダイナミックに変動してしまいますが、
風量も動圧もほとんど周波数に比例していますので焙煎中は細かい数字の変化は全く見ずに、周波数の表示だけを合わせるようにしています。
カメラの絞り(F値)と同じで2段開けると動圧が約2倍になります。
(風量は二乗特性がありますので、2倍にするには、4段、つまり0→4まで上げる必要があります。)
-1は主に焙煎の合間のアイドリングで使用します。(別名暖房モード)
バッチサイズや焙煎スタイルが変わっても風量の変化で2.2倍程度可変できれば十分ですので、0→6または1→7の範囲での操作で事足りますが少し余裕を見ています。※※
私の場合ですと、一つのバッチの中で操作するのは最大で3段分くらい(風量で7割増くらい)の範囲内にしています。
一例を挙げれば、焙煎開始で2、1はぜ前後で3、2はぜ前後で4といった具合です。
自分の焙煎機の今の環境ですと、多めのバッチで深煎りしない限り(例えば1キロ前後でしたら)ほぼ4固定で焙煎できます。
ちなみに圧力表示は変動します。表を見ていただけると分かるように、十分に余熱が終わった段階でバーナーがついている条件ですと4の17.7hzで23paぐらいまで下がったりします。これが、予熱開始前ですと、4の17.7hzで28paくらいを表示します。
このように、バーナーがついたり、釜が暖まると熱気球の内部のように熱せられた空気で圧力が上がるため、ゲージの数値(絶対値)は下がりますが、排気が弱くなっているわけではありません。単に釜の状態の変化が数値に表れているということです。
ここで、特に理由なく排気を一定の値に調節してしまうと、こんがらがってしまいます。
それでもバーナーのONOFFや豆の状態によって変動する圧力変化(静圧の変動)は、大きくても通常5pa程度のごく小さな範囲ですので、焙煎の重要なタイミングをピトー管で測った圧力で判断するのは難しいようです。さまざまな要素が絡むために何が原因で変動しているか峻別がつけづらいのです。
同様に、建物や焙煎機の設置環境にも影響されているはずですが、残念ながらピトー管で確実に判別できる変化とはいいきれません。
※ -71pa=7のポジションを基準としたのはこれ以上の段階、たとえばステップ8を定義して-100pa前後とすると日々の変動で計器のフルスケールを振り切ってしまうことになって合わせにくいため。9段目 -140pa超えると排気の強さに点火が困難になったり、極端なカロリー不足になってしまいがちです。
※※設置環境の変化や天候季節による変動もありえるということで若干余裕を見た設定としています。