The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

新春早々豆を洗うか洗わないかと part III

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いったん色づくまで乾燥させてからワインに浸すと煮た大豆みたいな匂いがしてきます このままうっかり納豆になったらどうしようと思うくらいです


二晩、置いてみた後のコーヒー豆は水に浸けた大豆と同じくらい、大体2.2倍もしくはそれ以上に膨らむようです。これは意外です。コーヒー豆はハゼのエネルギーで膨らむ、特に2ハゼ以降は炭酸ガスの働きで膨らむと思い込んでいましたが、そんなことないですね。改めてこれを見てしまうと、豆の表面が硬化する前にじっくり蒸らして豆を膨らませようと発想した先人の気持ちもよくわかりますし、焙煎の前半の工程の一部を、蒸らし、と呼びたくなるのもごく自然なように感じられます。

これまでも確かに水分に触れた豆がシンクの端に残っているといつの間にか、子供向けのおもちゃのカエルさんみたいに膨張して、こんなジャンボ豆がもったいないと思ったことは何度かありましたけど、実際は普通の豆でもこんなに膨らむんですねえ。

どんなに膨らんでも美味しさとは直接関係ないという気はします。というのは焙煎度の割に綺麗に膨らんでいる豆の方が全体にフレーバーは単調に感じやすい。もっといえば、焙煎度が浅めになるほど、ぱっと見では表面にムラが見えたり、チャフが残っていたり、膨らみ足りないように感じる焙煎の方がしっかり豆の個性が感じられ、抽出効率も良くなおかつ、意外に日持ちもするという結果になるケースがしばしばあります。

商品としての価値はまた別の話になりましょうが。

これを見ていて大問題が。たとえば、お酒にしても安いものは醸造用アルコールが主体であまり好ましくありません。ほのかに焼酎くさくなったりします。

本物の純米酒でもパックだと昔に比べれば安価になりましたけど、できればそれなりのものを使いたいところ。でもこれだけ吸収してしまうと、豆の価格を遥かに上回ってしまいます。

ワインにしても、ほとんどのワインが大量の砂糖を添加してアルコールを高めています。料理酒として売られているものなどではほとんどそのようなアルコールに葡萄のエキスを混ぜたようなものとかさえ珍しくない。

産地でしっかり精製して定温コンテナで輸送された高価な豆を購入した方がだんぜんよくなってしまいます。

ただ、この大豆みたいな外観をみているうちに、あることがひらめきました。

ひょっとして、これで味噌を作ったり、醤油を作ったり、そんなこともできるかもしれないと。