The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

鬼の居ぬ間の豆の洗濯 part III

この前降ろした豆がもう少しで良い加減かとおもっていたら、一気に10.8%と10%台に。ナチュラルで精製した豆が結構10%前後の水分量になっているのは、こういうことがあるのかもしれません。

あるところから一気にストーンと水分量がさがるのですねえ。20%前後だといかにもしめっている感じがしますが、10%近いと手に触る感覚もかなりドライに感じます。

ちょっと思いついて余っていた醤油につけてみたのですけど、これが大変、すごい匂いでした。仕方ないので、外に干せるようにしました。

この方が太陽の光にあたっていくらか乾燥も早く、具合がいいかもしれません。

この時期は蝿が寄ってくる心配もなさそうなので、屋外でもなんとかなりそう。

やってみると、今のペースでは豆をつけるのに48時間程度、乾燥に72時間程度見なくてはならないようですし 実験程度でもそれだけの作業スペースを確保するのも意外と大変です。(しかし、じっけん、と入力して十件と変換してくるgoogleは日本語と中国語の区別もつけていないでしょうかね。)

以前、ある所のナチュラルを焙煎して、味噌のような風味がすると言われたことがありました。うまく焙煎するとかなり特徴的なだけでなく、ながくいい発酵の匂いが持続するすばらしい銘柄なのですけれど、過発酵のためか抽出によっては和風の雰囲気が出たり、そもそも入荷のタイミングによって、品種が違って、まったく別の豆なのでした。

これ、なんとかコントロールしたいと思っていたのですが、自分でやれば、ある程度なんとかできるのではないかと思ったことがありました。

コーヒーの自家発酵というやつです。

実際、穀物のおいしさにはなんらかの微生物の働きが大きく関係していると思います。その中でも、酵母の働きは無視できない。

機械乾燥は自分が小学生に上がる前後で一般化してしまったので、その風味をご存じない方も多いとは思いますが、コメだって、竿にかけて天日ぼししたものが特別な香りがしますし、すごくおいしいものです。それもなんどがちょっと雨にあたったりしながら、ゆっくり乾燥させたものの方が途中から機械で乾燥させたものよりも味わいが深い。

それは間違いなく、微生物の発酵の力を借りているからなのです。

コーヒー豆だって、果肉に含まれる水分や雨の影響で微妙に発酵します。コーヒー豆をその場で剥いて、焙煎しても全然コーヒーらしくならないそうですよ。

精製の過程で微生物の力を借りて、なんらかの発酵の作用を受けてコーヒー豆は完成するのだと思います。

その最後の工程をうまくコントロールする必要があります。

で、色々やってみると、実は産地の方でも結構、いろいろやっていそうなことが見えてきましたよ。ナチュラルと言いながら、ぜんぜん自然でなくて、人工的なやり方していそうだったり、ウォッシュトといいながら、水以外のものに触れさせていたり。