Coffee Beans Kurochamame

for Dripbags, Coffeemakers and hand-brewing

なんのための珈琲か? What coffee means to me

いろいろあって、数日ほど病院に泊まってきました。

もう長いこと、ハンドピック程度に必要な集中力も持続できない状況がつづいていまして、特に日中、それも午前中はひどくて、いろいろできないことが多く、改善のためにちょっとリスクを取りました。通常、命にかかわるようなものではないのですが。

最悪、味覚や嗅覚に影響して、ろくにコーヒーを楽しめなくなるリスクもなきにしもあらず、この歳になって、今さら嗅覚を失ったと騒ぐほどでもないとは思いますが、

そうなったら、コーヒーに関することは今後は一切タッチする意欲も湧かなくなるでしょう。それでも今回は、かりにそうなったとしても、社会生活を回復ないし維持する方向を選びました。

今日までのところ、本調子には程遠く、心なしか聴覚にも影響して、知り合いの声も満足に判別できなかったりしますが、しばらく小一時間ほど歩いているうちに、やっと排気ガスの臭いを嗅ぎ分けられるようになり、久々に隣のキッチンのピラフを炒めているフレーバーがしっかり感じられたり、感度は鈍っているようですが、精度みたいなものは影響していないか、遮断されていた分、少し鋭敏になっているかもしれません。

本当のところ、成功かは一ヶ月ほど様子をみないと分かりませんが、とにかく日中、本を読む以外に何もできなかったので、久しぶりにスコットラオの本を2冊。ほぼすべて読み終えることができました。

よく読んでいると、自分が主張してきたことで周囲の焙煎者に理解されない部分と同じことをスコットがあっさり書いていてくれたりして、勇気づけられたのと、スコットのいうETがEXHAUST TEMPERATUREに近いものと勘違いしていたのもあって、彼の主張をよく理解していなかったと思いました。彼のいうENVIROMENT TEMPERATUREとはどうもドラム内温度に相当するようで、フジロイヤルの豆温度計と排気温度計の示す数字を間を取って作った数字をところどころ切り貼りしたようなグラフになるはずですし、スコットのいうBTはフジではどのモデルでもみれないので、彼の本を参考にして同じ焙煎をするのは到底無理な話です。それはうすらうすらわかっていたのですけれど、ET≒ドラムの中の豆がほとんど触れない部分で測った温度として読むと、自分のいろいろ実験してみた結果と噛み合う部分が多く、特に2冊目の後半に書かれている内容は納得できることが多くなり、ますます共感が増しました。

とはいえ、スコット流の焙煎はやはり素のフジとは相容れない部分が多いです。そもそもプロファイルの前提条件としてある肝心の温度センサの位置がまったく違いますからね。

それと10章と11章の内容に明らかな矛盾があって、ちょっとこれなに、という感じ。

スコットは10章では通常一ハゼの数十秒前まで一時的に水蒸気の蒸発が少なくなると言っている。一方で11章では逆に通常我々が一ハゼのスタートとする地点の数十秒前から、本当の一ハゼは起こっており、その時点で発生している水蒸気の発散によって、ドラム内温度のROR(ETROR)は急降下して溝のようになり、その後、復帰すると言っています。これ、10章の内容と全然正反対のことを言っています。実際は11章のラオの主張の方が正しく、はっきり一ハゼを音として聞けるようになる前から、水蒸気を盛大に発散し始めていて、圧力が十分に高まってエネルギーを溜めた一部の豆からはっきり音を出して爆ぜ始めるというのが正解です。

これは日本人なら普通に焙煎していて、体感的に感じている方は多いと思います。そうでなくてもフジの豆温度計は高めの位置にありますからね、ラオのいうBTよりはむしろETに近い条件で測定できているはずだからです。