The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

なぜフジロイヤルにこだわってきたのか ③

実際、フレーバーコーヒーの中川さんと同じレベルの焙煎しようと思ったら、自分にとってはちょっと手が届かないレベルのさまざまなスキルが要求されます。そんなの、無理、という時点で気が付かなければいけなかったのですけれどね。

いずれにしても、日本の焙煎機は残念ながら、世界の中で十分に評価されているとはとてもいえません。もちろん、東洋の(いわゆる極東の)島国ゆえに正当に評価されにくいという部分もなきにしもあらずですけれども、やはり焙煎のあるべき姿について、きちんと理論立てて考え尽くして、商売のための機械として磨き上げて行ったであろう、欧米の、その中でも、特にドイツを起源とする機械と比べてしまうと、どうしても再現性から劣ってしまうところがあるように思います。(Loringも会社そのものはアメリカ資本みたいですけど、実際に開発したのは? センサの取り付け具合だけ考えてもスコットと考えの近い人が設計したのは間違いないです。ちなみにスコットもドイツ出身っぽい)

もっともそれゆえに、奥が深い、面白いというのも、いえるかもしれないのですけれど。

でも、焙煎自体が、どんな優秀な機械をしっかりコンピュータ制御してさえもブレやすいものだとされていることからすれば、とてもやっかいな世界に手を出してしまったものだと、思わざるをえないわけで、ほんと、最初の頃にやっていた小さなおもちゃのような焙煎機と比べてどっちが再現性が高いだろうかと自問自答するくらいなのでした。

もちろん冷却器ひとつとっても、しっかりしたつくりなのは、やはり業務用ならでわなのですけれどね。

そういう意味では、悪くない。

たぶん、最新式を新品で買えばまた別の印象を持ったことでしょうし、またオールドフジでも、昭和50年代かそれより前の直火とかでしたら、またまた別の世界があったかと思います。

え、そうですよ。自分がただ今の機材を使いこなせてないだけですよ。

たぶん、ね。

で、いろいろやって最終的にはっきりしてきたこと。自分望んでいるエッセンスを100%以上出すにはやはりかなり高いレベルの原料の質が必須であるということ。もちろん、より下流の抽出や焙煎の条件もそれなりには求められますが、元々の原料の品質があるところまで行っていないと、相当特殊な条件に持ち込まないと出せない、出ない、そういうエッセンスなのだとうことがわかってきたのです。(無理やり出すと通常副作用の方が強く出るのでした)

とすると、焙煎機や焙煎にこだわるのは当初思っていたほどの意味はないということになってしまったわけで。ガーン!

もう、いっそギーセンでもなんでもいいかという。

ちなみにローリングは中深煎りの微かなロースト臭が羨ましくもありなんですけど、浅い焙煎だとなぜか苦手です。