Coffee Beans Kurochamame

for Dripbags, Coffeemakers and hand-brewing

ディスカバリーと付き合ってみて分かること ②

ディスカバリーは1キロと負けないくらいの火力があります。もちろん、500gまで煎れるいったろうにも負けていません。

そんな火力が本当に必要か あるいは有効に使えるかどうかカロリーを中心に仮に単純化して、考えてみます。

たとえばダンパーを2に固定とするなら配管が詰まっていない状態で火をつけてからある程度おいて、0.6kpa前後、少しだけ詰まった状態で0.5 kpa切るくらいで温度平衡っぽく落ち着いてきます。 簡易的に計算上0.5kpaとして扱って、この時点で大体29%くらいの火力が発生しています。

そこから100g煎るのに、仮に1.0kpa追加で1.5kpa分のカロリーが必要とした場合、すでに73%のカロリーを使っています。排気の分を差し引いて生豆100gあたり44%のカロリーを使っているとしたら、最大焙煎量は200g未満、170〜180gくらいになってしまいます。

実際には豆の量が増えると豆に触れずに排気される分がなくなるので、200gは余裕でいけるわけです。

(100gだと 火力は1,0-1.2kpaでも十分という意見もあるでしょうが これは一種の思考実験ということでご了承願います)ここから類推されるのは、 ある焙煎量を超えた場合、意図的に排気を調整しなくてはならなくなる可能性が出てくるということです。その敷居はここの100gでのベースの火力が1.0kpaとした場合で、計算上250gでぎりぎりですが、 仮にベースの火力が1.2kpaとするならすでに200gから影響していることになります。

そのまた逆にある量以下、たとえば150gもしくはそれを大きく下回ると、ほぼ火力だけですべてをコントロールできる余地ができる可能性がある。むしろ、排気を積極的にコントロールしようとしても、豆に触れる熱風の温度が変動して、伝わるカロリーにはそれなりに影響するものの、そもそも豆に直接触れる熱風の割合そのものが減るので効果は限定的になってしまって操作しても焙煎の再現性を下げるだけで、焙煎量が減れば減るほど排気操作は無意味に近くなるでしょう。

さて、仮に100gで 1,5kpaまでの火力を使いたい焙煎を250gで実行しようとすると、火力が足りない分、排気は最小限にしなくてはなりません。100gで44% 200gで88%、250gで100%とやってゆくと、250gでは排気で無駄にする熱をゼロにしなくてはならないことになります。

実際には排気がないとドラム内に熱風をうまく送り込むことはできないのでこれは無理です。ということで、100gで 1,5kpaかけるのと同じ思い切った焙煎は250gでは原則無理なのです。

釜の温まり方や焙煎量が変わると焙煎機は全く別の機械のように振る舞うので実際にはこの計算通りにいくとは必ずしも限りませんが、おおよその概要はそんなところです。

ここで思考実験した意味は、実は発生するカロリーの問題というより、火力と排気の関係を確かめた程度の意味しかないかもしれません。ひとことでいえば150gあたりを境に排気をどの程度コントロールすべきか考え方をきりかえなくてはならないということです。

今回、 考えられる最大に近い火力として100gで1.5kpaの火力をベースとして計算を始めてみましたが、実際の焙煎では100gで本当にそこまでの火力が必要かと言われれば排気操作の具合や時間にもよりますが、結構微妙なところではあります。

実際やってみると、かなりの火力を受け止められる豆でも、250gで 2.0kpa位かけると、2分くらいの短時間でもちょっと無理を感じます。

せいぜい 1,6kpaぐらいまでがほとんどの場合無難で多少焙煎時間が伸びてもよしとしないといけない。排気を上げて頑張っても1,8から2.2kpa位まで上げてしまうと、ごく短時間に収めたとしても、なんだか、ちょっときついなあと。焙煎量が減って、150gくらいの焙煎の場合でも、せいぜい0.8〜1.6kpaの範囲の火力がかけられれば十分な感じです(この範囲は豆に伝わる温度の問題なので実は100gでも大きく変わりません)。排気やら豆の種類によってある程度幅はありますが、美味しいコーヒーができあがる有効な範囲というのはある程度狭くなります。

2.8kpaは、十分に余裕がある。実際に調整器によっては2.5 kpaでないこともありますが、そこまでは必要ないほど十分な火力です

端的にいってしまえば、 2.0kpa超えるような火力は焙煎に最適な温度範囲を超過してしまうのがほぼ確実であまり実用性がないといえるかもしれません。プロパンの場合、1.6kpaで全開の75%。2.0kpaでは84%の火力が発生していますので、数字の差で思うほど火力は落ちていないのです。ここでの前提条件は十分に釜が温まっている場合です。ちなみに予熱が不十分だからと火力を上げるのはほとんどの場合、無意味か逆効果です。その意味では焙煎は予熱を始めた瞬間から始まっているといっていいと思います。

もっとも足りないよりはぜんぜんいいですよ!(2.8kpa前後の最大圧力は当地で利用しているプロパンと2本立て用の調整器での圧力での話で環境によって変わります。都市ガスはもっと低めのガス圧になりますので、また別の話になります。)

※当方の直火の場合です。半熱風の場合、熱効率が10%~25%程度落ちる傾向にあるかと思いますので、全開でちょうどいいといった状況に陥る可能性もないとは言い切れませんが比較まではできておりません。