連休中に焙煎したバッチについて、ドリップバッグで再度評価中です。
実際に焙煎直後にドリップバッグにした方がいいか、それともある程度、おいてからドリップバッグにすべきか、これまでの実験では豆や焙煎状態によるという感じで、最終的な結論は出ていなかったのですが、焙煎後2、3日目に作成したものと、比較検討してみることにしました。それも豆の種類は全12種類ほど用意しての評価です。
ブレンドして作成する場合は焙煎から適切に保管して2週間とかそれ以上おいた方がどちらかというと安定して淹れやすい状態を維持できることはわかっていますが、今回はちょっと普通では手が出ないスペシャルティの中でもCOEスレスレのものも混じっています。
すべて3キロで焙煎したものです。
1)ニカラグア ちょっと焙煎が過ぎたかもしれません。今回入手した中で最も高価な部類なのに、なぜか本来ふさわしい焙煎度に対して、最も深煎り気味になってしまいました。落ち着いて飲めるコーヒーではありますが、ニカラグアらしさを表にだせるかというと微妙です。思ったより繊細なのだなと感じました。いっそ、思い切ってシナモンくらいの焙煎度から試してみた方が良かったかも。
2)コロンビア ピンクブルボン 小倉で受け入れやすい焙煎度を意識し過ぎたのか、こちらも少し深すぎたかもと思ったのですが、しっかり酸味も感じられるし、それなりにユニーク。そして飲みやすい。コロンビアがコーヒーの最上級みたいに思われている方が多いのも頷けます。しかしこの豆に限って言えばあまりに贅沢な選択かも。
3)グアテマラ サンミゲル 今回比較した中ではもっとも深く煎ってしまったもので、最初の一口は特徴を感じず期待していなかったのですが、少し冷めてから、口にしてみると、なんと、もろ、100%昆布の出汁のフレーバーが!! そして、また冷めると、今度はキャラメルのようなフレーバーが支配的になります。ウォールナッツかくるみのような感じもかすかにあり、世界のスペシャルティの世界で昆布のフレーバーがどう評価されるか知りませんが、当然のようにチョコレートのような風味も感じられるし、冷めていく途中の経過は面白い。このクラスになると、フレンチプレスの方が評価には向いていそうです。
4)タンザニア NGRO NGRO こちらも本来ならもう少し浅めで止める豆だと思います。深めの割に酸味がたった印象がありまして、あいかわらずでしたが、今回試した中ではもっともユニークでこれまであまり飲んだことないかも、という感じ。どう形容したらいいかわからないコーヒー。こちらも細かいエッセンスをしっかり分解して楽しむにはフレンチプレスの方が向いていそうです。でも、いい原料だというのは、(ドリップバッグでも)そんなに飲み慣れていない方にも伝わると思います。
5)ブラジリアン リロイ LITE
希少種と言われているようです。ディスカバリーで試した範囲だと、何の意味か分かりにくかったのですけれど、今回のバッチは第一印象は煎りすぎ感があり、1)のニカラグアと並んで優しめに浅めに煎るべきかとも思ったのですが、冷めてくるとちょっと面白い。スペシャルティの資格十分です。しかしブラジルでこの価格帯というのは、商売のベースとしてはかなり厳しい。扱っているところが滅多にないのもうなづけます。元々も生産量も少ないのですけれど。
6)ブラジリアン リロイ DARK
ほとんど焦げちゃったね。と言われかねない焙煎度です。 5)ですでに、油が滲みやすく、ドリップバッグで配布するにはあまり適さない焙煎度に入っていますが、ここまでくると行き過ぎ感は半端ないです。しかし、面白いことにこの豆の特徴は少し冷めてからのアフターにしっかり感じられて、ますます面白い。
なるほど、生産量の多いブラジルではちょっと考えられない高値で取引されることもあるのも無理はありません。しかし、これは箸休め的ポジョションなのかなあ。焙煎がはまれば、本当にハマる方も一部にいらっしゃるかもしれません。ネルで出したくなる深煎りなら、もっと面白いかも。しかし、イエメンの超?高級モカと変わらない値段だったら、普通はそっちを選んでしまうでしょう。一生に一度とまではいわずとも、本当に時たま試してみてもいい感じのテイストです。初めて焼いてみて良かったとは思いました。