Coffee Beans Kurochamame

for Dripbags, Coffeemakers and hand-brewing

ドリップバッグの再評価と焙煎と

ドリップバッグを評価の基準にしてしまってから、ますます焙煎の評価が厳しくなり、迷走していたところがあります。ドリップバッグの単純な仕組み条件の中ではフィルタの特性も粒度も一定にできるので、後は湯温と抽出時間、抽出量をある程度の範囲に収めてしまえば一定して評価できるはず、なのでしたけれど、なんだかんだで手作業で5000個ほど作ってあれこれ比較してみた結果ですが、意外にブレやすくて評価が難しい。

それと作成してからの変化の度合いが著しい。できれば自分の思う最低線の品質を1年から最大1年半程度維持できないと店頭においてもらうといったことはできないし、したくもない。最終評価が1年半後というのも結構大変ですので、アレニウスの法則を応用して、寿命加速して試験する方法を導入すべきかもしれないともおもっていたのですけれど、現実の店頭の条件に見合う形で試験する方法を見つけようとして知り合いに頼んで店頭におかせてもらっていたら、賞味期限を切れたものをいつの間にか廃棄されていたりして、目論見通りに行かず。

なかなか、自分の思うような最低線をドリップバッグでせめて最初の1、2週間だけでも安定してキープできる条件が見つからないか、試行錯誤していてずいぶん時間が過ぎてしまいましたが、今日の評価で少し光が見えてきました。(ずっとこんなことばかり言っているような気もします)

脱酸素剤をうまくコントロールして使った方が、美味しくなる条件が見つかったかもしれません。ちょっと意外です。たぶん、他の焙煎機で焙煎した場合、同じようにはいかないでしょうから、これは自分の年式の3キロフジ半熱風限定になりそうです。

比較条件 エチオピア モカ 焙煎度 深めのシティ相当 B13

粉にした直後の評価; 酸味が弱い割に、舌先にシャープに刺さる感じが僅かにある。この豆の個性に対して煎りすぎた印象があり、フラットで退屈な珈琲である。

これをドリップバッグにして4日目に評価してみました。

1)A社 同社の製品ラインナップからもっとも脱酸素量の少ない脱酸素剤使用 →◎

 開封時に既に固くなっているので脱酸素剤としての効果をすでに発揮し尽くしている可能性がある。(これ以上、脱酸素剤のデメリットが出ない代わりに長期保存には適さない可能性があるので、今後次第)

 第一印象は酸味が立って、若干雑味と取られかねない不自然さを感じるが、少し冷めるとすぐに後退して、落ち着いた珈琲らしさが出てくる。比較的飲みやすく、ウォッシュトのモカの割にはボディ感もある。

焙煎されないかたには焙煎したてといって納得してもらえる以上の香りはキープできている。

2)A社 酸素の吸収量が2倍ある物。開封時に手で持っただけで柔らかい →◎

 第一印象は酸味が柔らかく、中深煎り以降でないと感じにくい、太いボディ感とコクが感じられる。全体に丸みを感じ、冷めると共に甘さが表に出やすい。1)と比較すると香りはモカにしては控えめに感じてしまうが許容範囲。

3)B社 酸素の吸収量は 1と2の中間か。比較的入手しやすい。→●

  B社曰く、香りを保持したいものにおすすめ。

  全体にコーヒーがあっさりした印象になる。余計な風味はないが、ボディ感が薄く、焙煎度も少し浅く感じる。冷めると甘みも出てきて、改善されるが、少し物足りない。香りはまずまず。

4)C社 酸素の吸収量は最小クラスでドリップバッグはこれがおすすめという →●

  3に少し印象は似ているが、何より最初の酸味の印象が強く、最後まで酸味がたった感じがある。メーカーによると酸素の吸収ペースは同社の製品の中では遅めで扱いやすいらしい。

5)脱酸素剤なしでドリップバッグ外装になるべく空気が入らないようにしてシールして、4日間置いたもの →○ ただし、今後時間が経つと下降線を辿る可能性が高い。

 酸味が立った印象が最後まで抜けない。ただし、香りはもっとも良いかもしれない。ある種の酸化を連想させる雑味を微に感じるが、特に問題にするほどでもなく、十分に楽しめる感じはある。全体に細身の印象で酸味がないとコーヒーでないという方以外にはお勧めしにくいところがある。

といった結果でした。もう少し時間が立って複数回評価してみないと最終的な結論は出せませんので、暫定ですが、少なくともこの豆の場合、自分のフジで焙煎するなら、少し煎り過ぎ加減に持っていって、こんなふうに処理すると、今まで、スペシャルティの中でも85点超えそうなグレードの豆でない感じにくいと思っていたエッセンスが抽出できています。コスト的にはもうどうにもなりそうにないと思っていたのですが、これまで以上に珈琲らしいボディ感が十分に感じられるものができて、自分の求めていたエッセンスがフルに近く取り出せそうです。本来そんなに安価な豆でもないのですけれども、準COEクラスとまではいかないものです。幸い、そんなに手間をかけてハンドピックする必要のないものですので手間的にも大いに助かるのですけれど、残念ながら期間限定で、2度と同じ豆は手に入りません。

物価高騰もあり、同等の原料を探すと、COEクラスのお値段とまではいかないとしても、今のご時世、相当大変ですが、それでも、工夫すればなんとかできるそうな気がやっとしてきました。

脱酸素剤の効果が明らかになってくるのは1週間以上経った時だと思いますので、評価はここからが本番です。