The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

ドリップバッグの再評価 ②

外した豆です。照明を当てるとわかりやすいですね。今回は真面目にホワイトバランスをマニュアル調整しました。

被写界深度合成を使うと少しカラーバランスがくるってしまって、未熟っぽい豆はこんな風に浮き上がって見えてきます。さらにここまで拡大すると、かなり変な豆にみえますけれど、実際は焙煎前だと水につけない限りは、意外とほとんど判別できません。生豆の状態だとすごい上等に見えます。ただしウォッシュトなのにこの手の豆が1〜2%程度とはいえ混じっていることがこの豆の市場での評価が芳しくなかった理由の一つでしょう。

うまくケアできればそれなりにはいいのですけれど、焙煎の前後に余計な手間をかけるくらいなら、素直に倍近い価格の豆を選んだ方が利口かもしれません。

ちなみに、こういう豆だけ選んで飲んでも雑味を感じることはほとんどありません。代わりにコーヒーらしい味もほとんどしませんので、考え方によっては無害。でもやはりケアしないと最低、それだけ薄目で物足りないコーヒーになったり、全体のバランスは崩れます。

かといって、こういうのを皆無にしようと頑張りすぎると、クリアになる反面、それはそれでつまらないコーヒーになったりしますので、いい塩梅で収める必要があります。

どちらかというと外した方ですけれど

割ってみるとこんな感じです。外す必要はなかったです。間違ってこぼれた分かな。

こうして断面を見てみると黒糖かりんとうを使ってブラウニーを作ったみたいに見えるし、チョコレートケーキを作るのに失敗したみたいにも見えますね。実際の豆の焙煎度は豆の表面でフルシティ行くか行かないくらい、粉にしてちょっと深めのシティかなあ??という感じです。実際の味わい的にはハイとシティの中間くらい?かも、というのはこの断面のグラデーションからもわかります。ムラ、ちょっと多すぎ。

もう少しスタンダード寄りの焙煎した方が無難な豆なんだろうなというのがわかります。

 

ここから下は、また別のバッチの評価のお話です。手抜きですみません。

焙煎度で言えば、ミディアムからハイ。スペシャルティの世界で評価されやすい比較的浅煎りのバッチで先回と同様のテストをしてみました。5日目の評価

1)A社 同社の製品ラインナップからもっとも脱酸素量の少ない脱酸素剤使用 →○

 開封時に既に固くなっているので効果は限定的だった可能性がある。

 すっきりとした酸味でシンプルな珈琲。スペシャルティらしいといえばらしい。どう転んでも酸味から逃げられない焙煎度でありながら、意外に軽く飲みやすい。

ミディアム相当の焙煎度で感じやすい爽やかな香り。

爽やかさはあるが、冷め切った後、少しとんがって感じる。次回は2個使ってどうなるかみてみたい。

2)A社 酸素の吸収量が2倍ある物。開封時に手で持っただけで柔らかい →◎

 1よりボディ感とある種の懐の広さ、奥行きみたいなものが感じられる。
 ただし、香りは控えめになる。

冷め切って一番甘みを感じやすい。穏やか。

3)B社 酸素の吸収量は 1と2の中間。比較的入手しやすい。→○

  全体にあっさりした印象で酸味が少し目立つが抽出量を控えればカバーできる範囲。香りは1や2より良い。少し淹れ方を選ぶ可能性がある。

冷め切った後の印象は2とほとんど変わらない。

4)C社 酸素の吸収量は最小クラス →○

  3との差は僅か。こちらも抽出量を少しだけ控えればむしろ、1、2と逆転した評価もありえる。香りは3ほどではないが十分である。

冷め切っても少しとんがって感じるが気にするほどではない。

5)C社 酸素の吸収ペースが速く、吸収量も2倍。ただしメーカー的にはコーヒーには向かないとされているもの →○

 酸化を連想させるような雑味は特に感じられず、香りは一番良い。そのためある種のフルーツ感がある。酸味もあるが突出した印象はない。冷めてくると少し、特有の引っ掛かりを感じる。十分に脱酸素できていない影響の可能性がある。

冷め切ってもある種の果実感が残っている。

6)B社 ごく普通の水分少なめ食品用として販売されているもの→○

 香りは控えになるが、穏やかで飲みやすい印象。とっつきやすい。

冷め切って一番特徴が損なわれていると感じるが比較してやっとわかる程度。

7)脱酸素剤なしでドリップバッグ外装になるべく空気が入らないようにしてシールして、5日間置いたもの →◎ ただし、今後時間が経つと下降線を辿る可能性が高い。

 ドリップバッグを開いた時に既に、油が劣化するスレスレのフレーバーが微かにしている。しかし、淹れた直後の第一印象はもっとも果実感が高く、気になる点は特にない。冷めた後、あるいは冷める過程で感じられるフレーバーは現時点ではもっとも豊かに感じられる。

冷め切るとさらに、味わいに広がりを感じ豊かなボディを感じさせる。もっともフレーバーに富んでいる。

どのカップも全体的に冷めてもある種のフルーツ感が持続しており、少し甘み控えめのフルーツジュースといった感じがある。酸味のバランスにばらつきはあるが抽出で逆転する可能性のある程度の差に収まっている。