Coffee Beans Kurochamame

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ファンデルワース半径とお豆の関係

酸素と窒素。核の引き寄せる力が強い酸素のほうがわずかに小さいようですが、それぞれの分子はちょっと楕円みたいな形をしていて、短軸方向で160 pm未満  長軸方向で200pmを少し超える位のようです。でも実際のフィルムの透過率はほとんどの場合、酸素のほうが上です。これは活性度の高い酸素がいろいろな物質に吸い寄せられやすい。つまり、フィルムの分子と緩く結合したり、離れたり、を繰り返しながら、フィルムの中をゆっくりと移動していくといったことが起きやすいのでしょう。二重結合の酸素は窒素と比べるとほかの元素とくっつきやすい。共有結合の腕はある一定の確率でランダムに近くの分子と結びついたり、離れたりする性質があるからです。

二酸化炭素は3つの原子が結合しているので、少し分子が大きく、しかも重くなります。こちらも共有結合で酸素ほどでなくても活性度はそれなりにあり、その効果である程度の殺菌効果やカビ防止効果があります。そして、一般にフィルムの通り抜けに関しては材質によるとはいえ、酸素の数倍から10倍以上に達することもあるようです。

【科学的には正しいとは言えないかもしれませんが、イメージとして】ざっくりいうと、両端にある酸素はそれぞれ親和性のある物質に取り付きやすく、真ん中にある炭素は共有結合できる腕を4つ持っている上に、フィルムやプラスッチックも炭素の化合物でこれらの炭化水素系物質とも仲がいい。炭素も酸素もそれぞれ付き合いが広い分、いろいろな物質の中を通り抜けるのに都合がよろしいのかもしれません。(対照的に窒素はお互いに三重結合で拘束し合って、がんじがらめになっているのかもしれません)

しかし、それでも、焙煎後の豆の二酸化炭素の発生量には追い付けない。

ですから、コーヒーの場合、どうしてもバルブをつけることを考えなくてはなりません。深い焙煎ならなおさらですが、風船のようになってしまいます。

ですから、そんなにガスバリア性が高くないといわれている袋でもコーヒーを入れるとパンパンに膨らんで破裂することさえあります。

ということで、パンパンに膨らむ袋に入れているから十分に気密が保たれているというわけでもなくて、ただ発生するガスの量に負けているだけなのかもしれないのです。

膨らんでいるから、酸素は入りにくそうに見えてしまいますが、実際は内部の酸素や水蒸気の濃度が低ければ低いほど、外側から侵入してくる酸素や水蒸気の量は増えるし、表面積も増えて、フィルムは圧力で延ばされ、シーリングの隙間も開いてゆくのでこの状態は逆にまずい。

やはり、なるべくなら、酸素や湿気や光も通しにくい材質に閉じ込めて、必要に応じて炭酸ガスを逃がせる仕組みがいい。

その点、光が当たりにくい環境に置きさえすれば、やはりガラスはコーヒーの保管に最も適した素材ではないかと思います。

ある程度の厚みがあれば酸素や窒素を通さないのはもちろんですが、二酸化炭素は分子量も44で一番重いので、瓶の底にたまりやすく、先に酸素や窒素は逃げてゆく形になりやすい。

ある程度以上の深煎りであればちょっと余裕のある瓶に入れて保管するのが最も簡便でベストに近い選択肢ではないかと思います。扱いが悪くて割れることはあっても、コーヒーの出す炭酸ガスの圧力程度で破裂することは心配いりませんから。

ただ、ドリップバッグは瓶に入れてお分けするわけにもいきませんので、頭が痛いところです。

現在、このところをどうするか思案中です。そのままお湯を注ぐと飲める瓶入りの高級ドリップバッグというのがあってもいいとは思いますが、かさばるし、話題づくりにしかなりそうにありません。

瓶で保存するのと変わりない条件で薄いフィルムでできた包装の中でどうやったら保存できるか。1年は無理でも、少なくとも2週間から4週間は挽き立ての香りを楽しめるようなものにしたいのです。

しかし、ここまであらためて考えてみるときちんとしたガスバリア性の袋にしっかりとしたバルブをつけるのは、事前の策として、たとえバルブを通して酸素が入りこむ余地が生じることを考慮しても、それなりの意味はありますねえ。二酸化炭素が十分に抜けている状態のほうが水蒸気や酸素の浸透は抑えられやすいケースもあり得るし、シーリングが部分的に敗れるリスクに比べればやはり安心です。脱酸素剤を補助的に入れたりすると、外側との酸素濃度に勾配が生じる分、引き寄せてしまい、ぐんぐん、効果がなくなってあまり意味がないので、それは難しい。となると、ガラスとフィルムの間には簡単には超えられない壁があるということも言えます。

エコの時代ということで持参の密封瓶に入れるサービスというのがあってもいいかもしれません。重いし、割れやすいし、とっても手間ですけど。豆なら何とかというところで。

今の時代、自宅で豆から挽こうという方は貴重ですから、そういうこだわる方向けの特別なサービスというのがあってもいいかもしれません。