The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

お豆の社会とガウスの世界の接点とは

小難しい数学や統計学の用語になってしまいますけど、自然界の現象、たとえばエネルギーの分布みたいなものは、おしなべてこれ、正規分布ガウス分布)というものに収束するらしいのです。いわゆるフーリエ変換なるものを駆使したりすると、数学的にいろいろな操作ができるらしいですが、そういうのは専門家に任せることにして。

ようするに、それぞれの温度に対応する分子の運動エネルギーの分布も、そして、砂丘や砂浜に散らばっている砂粒の粒子から、宇宙の天体が発しているさまざまな波長の電波や光に至るまで、ある一定の確率で分布する傾向にあるのです。その考え方は学校時代に悩まされた偏差値のグラフみたいなものにも応用されているようですけれど、綺麗な富士山のような形の成層火山の頭を少し丸めたような姿になります。

ということはミルで挽いた後の粉の粒度の分布にもこの考え方は応用できる。実際にスペシャルティの世界で最高に近い評価を受けているミルの数々の粒度は必ずしも一点でなく、ある範囲でばらついている。それも適度にばらついているものが好ましいと言われています。

ということは、これは、ひょっとしたら、ハンドピックにも適応する考え方なのではないかと思います。

なにがいいたいかというと、明らかに形がおかしかったりするものが多く含まれているのは論外として、必ずしも完璧に見える豆だけ揃えたロットが美味しいとは限らないということです。

実際、G2,G3に相当する豆をなんとか手間をかけて整理して焙煎したものの方がG1よりもお客さんの評価が高かったりするのは案外、お客さんの感覚の方が、自然の法則に則って正しいのかもしれません。

ということで、ハンドピックに本格的にとくりむことになりそうです。