The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

豆についてはどうか(開封3時間後)

あるサイトでの計算結果によると、真空到達度、96%の時点で水の沸点は30度切るようです。これは高度4万メーターに相当する気圧です。ということはこの時点ではいくらなんでも引きすぎと思われます。

今回90%まで引いたもの、開封直後はあまり膨らみがなかったものが、なぜか開封してから、粉の膨らみが改善しましたし、少し濃くいれると、結構悪くありませんでした。

対して、70%まで引いたもの。90%と比べると抽出効率が高く、少し雑味感も出やすい。しかし、甘い。全く同じ条件でいれた90%の方は開封後3時間の時点では酸味が少したって、雑味感が薄めですが、コーヒー自体も薄く感じる。一つは抽出が早く終わってしまうことも影響しています。

全体に、抽出で工夫すればほとんど逆転がいつでもあり得る状態ではありますが、70%の方がお徳。70%の方が丸みがあって飲みやすい。という結果になりました。酸素により多く触れる条件が必ずしも悪といいきれない、結果がここでも得られました。

ただし、開封後時間が経つ、中間の1時間目とか2時間目のどこかで、圧倒的に90%の方が好ましい状態で抽出できた可能性もありそうです。また半日後にどうなるかはやってみないとわかりません。

今回は新型兵器の性能をテストしたり、扱い方に慣れるのが主眼のテストなので、すべてが暫定ですが、基本、豆でも長期の保管を考えなければ、なるべく引かない方がよさそうだということがいえます。途中で止めれば20%とかもできるみたいなので、次回はそういうのも含めていろいろ試してみようと思いますが、見かけからしても90%は少し引きすぎ感があるので、次回は最大でも75-85%前後あたりで試す方向で行こうと思っています。単純計算でこれで、酸素に触れることによる劣化もしくはエージングは6と2/3分の一から4分の1のペースになりますから、十分と言えば十分。

酸素に触れる、酸化する、酸味が出る、と思ってしまいがちですが、酸素を酸素と呼ぶのは、大昔の化学者が酸素が酸の元になっていると勘違いした故のネーミングです。

結構、酸化によって丸みが出るというのがコーヒーの場合、珍しくありません。

しかし、不思議なんですよね。C+02=C02というのは化学反応における活性化エネルギーということを考慮に入れると、常温で起こるはずがないのに、開封して時間が経つと、膨らみが改善して見えるのはどういうことでしょう。それも90%まで引いた方が改善の度合いが大きいので、新しく酸素に触れて何かが生成している可能性はありそうです。それはなんなのか、新しい謎が。