The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

r103改の適正焙煎量の下限値を探る②

本来、純粋に科学的にアプローチするなら100gで12バッチ、200gで12バッチ、と言った具合で3キロくらいまで合計360バッチくらいやってみて評価すべきでしょうけれど、そこまで時間もコストもかけられないのでこれまでの焙煎の経験と合わせたカンピュータ演算で推論しております。

カンピュータの指示により750gでスタートした1バッチ目。少し深く入ったのはそうしないと内部では生の部分が残りやすいからでした。できればもう少し深くいくべきだったかもしれないところ。もしくはもっともっと念入りに予熱すべきでした。2時間半では足らなかった可能性があります。全く同じようなことをしても、もしこのバッチを3バッチ目または4バッチ目に持ってこれればほぼ間違いなく当日のベストバッチになったはずです。

2バッチ目は600gでうまくコントロールできず、オーバーロースト気味の風味で尚且つ、少し不完全感があります。これは単に操縦ミスと言っていいかもしれませんが、あまりに扱いにくい量は考えものです。再度試す必要を感じないほどの扱いにくさでした。次回試すとしても650gからにしようと思います。

3バッチ目700gで程よい焙煎度に収まっています。100gの違いで随分扱いやすくなりました。でも本来ならベストバッチになっていいタイミングの割には弱い。あまり無理できない原料であることもありますが、もう少し多めに入れた方がさらに焙煎しやすかった上におそらく結果も良かっただろうと思います。

4バッチ目800gでの焙煎は安定感のあるレンジに入ります。反面、結果は少々退屈で単調になってしまっています。ここいらは少々焙煎も深めに入りすぎており、操縦ミスの疑いのあるところですが、保管条件や抽出次第でどうにでもできる範囲かとは思います。

5バッチ目の900gでの焙煎はある意味ベストのロースト具合で焙煎度としては3バッチ目とほぼ同等でより安定感のある仕上がりです。時間が経っても豆が汗をかいたような感じにはならないでしょうし、おそらく長く楽しめると思われます。

6バッチ目の1.6kgは時間とガスの無駄かもしれません。豆は扱い方次第でどうにか使い物になるかもしれませんが、ガスをたくさん使って時間もかける割に結果はあまり思わしくない。800-900gを2回やる方が操縦できる幅が増えて、色々やりやすくなるので、ある焙煎量を超えたあたりから、複数回に分けて焙煎するか、まとめて2,5kg焙煎するか検討した方が良さそうです。今回は試していませんが、いずれ、1キロから100g刻みで上げていってどんな感じか試してみてもいいかもしれません。

やはり豆がある程度入った状態でないとおおよそ10バッチ未満のバッチ間ではすぐに焙煎機全体の温度が下がってしまって、最適な条件から外れてしまいますのでその点では多めの方がいいのですが、焙煎の自由度みたいなものは減ってきて窮屈になってきます。

それと最初の1、2バッチ目は今の所、鬼門です。この辺りをケアするためにフロントパネルとバックパネルに温度センサを再度設置してもう少し探ってみようと思っています。

ちなみに今回230度あたりで理想的なパネルの温度を維持しながら温度平衡に達するポイントが見つかりました。このポイントを少しでも下げることができれば少ない量でも一定して煎ることができるのですけれど、この条件ですと、やはり2kg以上連続して焙煎して、10バッチ、12バッチ以降は3キロ、4キロ入れるくらいのやり方をしないとテンポ良くいけないのは道理です。

ある程度は釜の特性として受け入れるべきでしょうけれど、もうちょっと扱いやすいレンジでうまく合わせられないか、やってみる予定です。

いずれもっといい方法が見つかるかもしれませんが、当面は最初の5-7バッチを200gくらいで初めるか、ねんごろに予熱してから、中長時間焙煎もしくは深煎り前提でゆっくり温めながら予熱の延長で2バッチ程度行って、3バッチ目から普通に750gくらい入れて焼き始めるというパターンが現実的かもしれません。