The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

2022年の最後の改修 ⅺ 2022年の総括へ

ここ半年以上前に焙煎した分から、再評価してまいりまして大体はっきりしたことがあります。

というのは、ある意味当たり前ではありますけれど、ドラムの構造によって決まる焙煎機の特性は他の方法でカバーできないということ。

具体的には、サブバーナーを増設した効果がプラスの方向ではっきり出たのは200g未満の焙煎にほとんど限られておりますが、ディスカバリーでいい状態で焙煎できたのとほとんど変わりないところまでいけています。操作感や豆温度の表示もほとんどギャップがない位になりました。もちろん、釜の蓄熱の影響はあるので全くおんなじとは言えませんが、少なくとも負けることはないといっていいくらいのことはできました。

ガスは大量に使うし、ちょっとコツは入りますがそれなりに再現性も確保できる。ただバッチ数が増えるごとにすこしずつ別の焙煎になっていく感覚はシビアになります。

でもたんに自分が慣れているせいか、ディスカバリーよりは予測しやすい範囲でもありました。

ところがそれ以上の焙煎量ではあまりいいところがない。

特に2キロ超えた分はむしろ、時間はかかっても標準バーナー構成で15分以上かけて焙煎したものの方がはるかに出来が良く、時間が経っても楽しめる物になりやすい。

サブバーナーを使用すると、焙煎時間は短くなりますが、コントロールが難しくなるだけで焙煎の結果に対しては、おしなべて、期待するほどいいところがありません。10時間程度窯を温め続けてやっとスペシャルティっぽい焙煎ができるようなところは実質改善しませんでした。

それ以下の焙煎量についてはどうか。

1kg超えた量はいまのところはあまり自分の三キロに限って言えば改めて試す必要さえも感じないところです。

1キロ以下は、これも微妙なところなのです。

400gから600gの間で数種類のスペシャルティを以前の倉庫環境で最後と思って焙煎した分をいろいろな方法で保存した分を半年経って試したところ、やはりというか、200g以下で焙煎した物には到底及びません。

ただし、試した豆がいいのもありますけれど、以前、本当に標準バーナー構成だけで500g前後焙煎していた時に比べれば、幾らかはコントロールしやすかったり、むしろ何もしなくてもそこそこの出来であったり、豆を不要な高温に晒すことなく、まずまずのタイミングで焙煎を終えることができています。

その分、明らかなハズレは少なくなっているかもしれません。

それと、バーナーをオフセットする前提で行きますと、特に今、移転してガスの熱量がアップしたことも合わせて、ほとんどサブバーナーの必要性自体が薄れているような気がします。

ちょっとバーナーをオフセットすれば、それだけでこれまで200g以下程度でうまくいった条件にかなり近くなるはずなのです。そして、多分これまでやりにくいと思っていた600gくらいの焙煎量での操作感というか火の入り方の感覚はそれなりに改善されてもおかしくないのです。

いろいろ準備した分が無駄になるかもしれないのですけれど、この状態だと、たとえ火力がもう少し欲しいと思ったとしても、サブバーナーをつけるよりは赤外線発生装置で少しアシストするとか、した方がうまくいくかもしれません。

とはいっても、サブバーナーを最大5本つける前提で準備してしまったので、とりあえず、4本にするとしても、一応、完全に標準に近い条件から、サブバーナーを1つずつ増やしていっていろいろ実験できるようにしてみようと思っています。メインと連動させたりしなかったり。

組み合わせはたくさんあるので、大変ですが、代わりに焙煎量自体を600〜800gあたりに固定してやっていこうと思います。

ちなみに以前の倉庫環境でのこの焙煎量の範囲のベストは800g程度をサブバーナー付きで焙煎したピンクブルボンのコロンビアでした。

テスト用のドリップバッグにした分がおもったよりスィートネスが残って、コロンビアのファンが多い理由がやっと納得できたような気がしました。ある意味無難な選択ではありますねえ。ほんと他の豆だと少し嫌な酸味が感じられてもおかしくないタイミングで飲んでも、結構スィートネス優勢であまり気にならなかったりします。

完璧とはいえないけど、そこそこの焙煎でかつ6週間8週間以内で消費する見込みのない場合は、コロンビアが無難。あくまでも嫌な感じがしにくいだけですけど。