コーヒー好きといっても、わざわざ普段飲むのに自家焙煎店の豆を購入するまでもないなーという方たちが中心に集まっているとある場で出されているコーヒーについて。
とりあえずはこれでなんとか(我慢出るかも?)、という線でおすすめしてしまったブランドがあり、そのお徳用のパックを購入してこられたのですが。これが大誤算。
全く同じメーカーの全く同じブランド、パッケージのデザインも全く同じで大容量なだけなのですが、開封してみると、なんとまるでキメラのような焙煎のムラがちらほら。肉眼ではっきりわかるくらい。異なるバッチ、それも原料の品質にも差がある可能性のあるものがブレンドされているのがみえみえです。小さなオレンジ色の粒もチラホラ。最初に開封した分がたまたまかと思ったら、2つめもほぼ同様。これだと以前不評だったメーカーの方が焙煎の技術単体で見ればむしろ上回っているかも。
これ同じブランドのドリップバッグのシリーズと比べたら、とてもでないけど無視できない差です。
ちなみに大容量でない普通のやつは、開封直後にドリップバッグにしてあげれば、メーカーでドリップバッグにして出しているものとほぼ同等に作れますし、普通に淹れてもそこまでの違和感は感じません。そこから賞味期限が近づくと使われている包装の限界もあって、どんどん落ちてゆく。これはどうやっても仕方がない。
それにしても、この大容量は、一応、有名ブランドなのにこういうことするのかと。
コストコの巨大ボトルほどでなくても、洗剤とかシャンプーとか、大容量のリフィルがスーパーでも当たり前に買えるようになってきてお徳用の大型パックは珍しくないご時世ですが、工業的に生産されるものは大容量でも品質はほぼ同じ。少なくとも消費者が気がつけるレベルでの差はないはず。
嗜好品ですと、例えば大きなペットボトルのコーラの炭酸の圧力が低めでそれに合わせて元の味も少し微調整して変えてあるかもといったことはあるでしょうけど。
一方、流石にコーヒーのように農産物が原料だと事情は異なりますので、ある程度の差異が生じるのは仕方がないとは思うのですが、これはちょっといただけない。
確かこのメーカー。80年代の中頃から当時の大手コンピューターメーカーとタイアップして、焙煎機の周りに多数の温度プローブをつけることで、季節や原料の差に影響されにくい完璧な焙煎環境を実現したと、一般の雑誌にもデカデカと広告を出してPRしていた記憶があります。
そこから40年近く経っても、結局、ここまでのムラというかブレが生じているんですね。
これ、大手ブランドが不誠実というより、コーヒーの焙煎というものの難しさ、奥の深さを象徴しているという気がします。
ところで、これを淹れても、差はわからないと言われてしまいました。ガーン!
そんなことないでしょ。こんなに九州人が嫌う、酸味がちらほら目立つのにぃ。
自分の味覚が今のところ、100%信頼できる状態にないこともあって、なんともいいがたい状況で、もうただ苦笑いするほかないです。
え、コーヒーは苦いのが当たり前だって、いやそうじゃなくって!