The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

なぜかフライパンの中に手網 お試し編

どうやって、フライパン上で表派と裏派に分かれて対立してしまう豆たちをてなづけるか、いろいろな方法があり得るとは思いますが、今回は手元にあったぎんなんいり(手網の道具としてはもっとも古典的なもの)を分解して、フライパンの中に埋め込むような形で焙煎するスタイルを初めて試してみました。

そんなの手網をコンロに直接かざした方がいいんでないと言われそうですけど、

なんといいますかいわゆるハイブリッド化とでも言いますか。いいとこ取りができないかやってみたわけです。

これまでの検討と前提条件が全く変わってしまうので、今まで積み上げてきたことはそのまま活かせませんが、手網の直径が小さくなる関係で焙煎量は80g、デカフェの、たぶんコロンビアか?で試してみたのがこちらです。

途中の温度上昇の感じですと、初期の火力はここまで遠慮しないで、0.45-0.6kpa近くまで上げてもなんとかなった可能性はあります。今回、イレギュラーなハゼの兆候は投入直後を除くとほとんどありませんでしたが、やはり投入温度は高すぎで160度以下まで落とした方がおそらく良かったと思います。

温度計測方法はフライパンの底面にピッタリつけた方がいいか、それとも浮かせた方がいいか迷ったのですが、やってみた結果ではなるべく豆に触れやすい位置にうまく固定できた方が良さそうです。つまり豆が載っている網の底面から3mmくらい浮いた位置あたりが本来はベストに近いと思われます。

今回はかなり中途半端な条件なので温度の絶対値自体、直接には参考になりませんがほとんどの時間、おそらくフライパンの底面に温度プローブの先端は接したままだったと思われます。

FCSの温度が約204度となっています。つまりフライパンの底面と豆が載っている網との間に最低でも30度近い温度差ががあるらしいことがここからわかります。

結果は、まず、粉の時点で見た目から想像するよりも深めになっており、もう少しでシティかな、どうかなあという感じ。それと焙煎時間が間延びした影響を感じます。原料由来のジューシーさみたいなものは感じにくく、なおかつ焙煎によって生成した感じのある成分もかなり控えめです。

いいところは、見た目では手網の割には焙煎のムラは少なめであること。取り出すのが慣れていなくて、見た目焦がしたようになった分だけ集めて、試しにお湯をとおしてみても、焦げたような風味はしないこと。一応、フライパンのネガの部分はほぼ払拭されています。

デカフェの焙煎はチャフの剥がれがほとんどないので初期の火力が適正かどうかの判断が難しく、1バッチ目はこんなものでしょうか? 次は8分ジャストくらいで焙煎を終えられないか試してみようと思います。