2度目の火入れをおえた豆を観察してみると、大きく分けて4種類。
ほぼ全体が均一に煎れている豆。割合的には1割程度。
平らな面がこげてイタリアンぽくなっているものの、片面はフルシティくらいで止まっている豆、全体の6割程度。
反対に、丸くなっている面がほぼ均等に平らな面よりも深く煎れているもの全体の2割弱
豆全体が激しく焦げたように見えるもの全体の1割強。
こんな状態のうち、一番、焙煎度が浅く見えるもので、ほぼ均一に煎れている分だけを集めて抽出してみました。今回の焙煎の中では間違いなく、エリートクラスです。
粉にすると、かなり香りが立ちます。焙煎を知らない方には煎りたてのいい香りーぃ。と大好評となりそうなくらいのフレーバー。逆に焙煎に造詣が深い方はさすがに騙せない、とは思いますが、それでも一抹の期待を感じさせるかもしれないくらいのでき。
ただし、抽出した結果は、手間をかけた意味はなかったです。
手網でしたら、こんなことはまずないのですけれどね。
やはりフライパンの場合、熱風で煽られて加熱される面と、裏で直接バーナーに当たっているフライパンの鉄板に触れる面との間に生じる温度のギャップを理想的な条件におさめることは困難なように思いますし、この影響をいくらかでも避けようとすれば特殊な長時間焙煎に持ち込むとかしかない。でもそれはテロワールを完全に殺してしまう焙煎につながりますから避けたい。
ということで、ちょっとギミックを考えています。さてどうするか。
この表裏の加熱ムラの問題は深い。
フライパンは、手網より、はるかに加熱の条件として優れている点もある上に、道具としても台所に転がっていて、もっとも手軽なはずなのに、焙煎の道具として一般的でない1番の理由でもあり、またコーヒーの豆が転がりにくくて、コイントスみたいに、表裏半分の確率にならないことが、回転ドラム式の攪拌が正統派の焙煎機で主流となっている大きな理由でもあると思います。