大きな鋼鉄製の扉が閉まるとその横にはまるでエレベータのボタンを巨大化したようなボタンが2つ。上が赤で下が緑になっています。
上が天国行きで、下が地獄行き、ということはないでしょうけど、まさに天国へのエレベータといった感じ。
でも自分はどうしてもこのシーンを思い出すと、今でもひょっとして、父が棺桶からでてきて、扉の反対側を叩いていたんではないかとそういうことを考えてかなしくなってしまいます。
現実の父の肉体は歩行が困難な状態でしたので、まずありえないこととはいえ、もし、まだこの世に未練が残っていて、父の魂が恐怖に怯えて扉を叩いていたとしたらどうしようかとそんなことを時折考えてしまうのです。
斎場の担当者に促されるままに赤のボタンを弟と押すと、ドシンと音がして点火されました。