35キロ級の使いやすい(スペシャリティに向いているらしい)熱風式の焙煎機があるとかねがね聞いていましたが、アメリカ製でLORINGというメーカーがあることを今回初めて知りました。
この7キロ釜は、35キロのプロファイルがなるべく生きるように互換性重視で設計したと思われる部分があり、そのために焙煎機単体としての性能は若干犠牲になっている可能性のある印象はありましたが、他の焙煎機にはない数々のメリットを感じました。(注ー短時間の印象、それも自分は直接操作していないのではっきりとしたことはいえませんが、この印象が正しいとしても、おそらく今後のバージョンアップで改善されうると思われます)
名前の通り(?)、曲芸みたいなアクロバット風の焙煎をしても失敗しにくい感じです。
最初に感心したのは豆温度を計測する仕組みです。温度センサは扉の内側の低めの位置に常に豆の動きに逆らわない向きになるべく接触面積が大きくなるように設置されており、これで計測される温度は単純にドラムの中にセンサを伸ばした場合に比べて、かなり正確に豆の表面温度を反映した数字になると思われます。
またこの焙煎機は、吸気温度と豆温度、排気温度までみながら操作することができます。
他社の焙煎機でダンパーを操作して、なんとか得られるのと同等の効果を、インレットを意識して火力を操作して実現できる可能性があるではないかと思われます。またインレットの温度は常識的な範囲で(故障を防ぐ意味もおそらくあり)自動的に制御されているため、急激な操作をしても、豆に過剰なストレスを与える危険がないので、安心して操作できるのも素晴らしいと思います。
オプションでドラム内にウォータークエンチをつけたりできるようです。
逆に内部で生じた水蒸気をどうやって逃しているのか詳しく聞きたかったのですが、ききそびれていしまいました。