The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

小さなおなべの宇宙論 番外編 遠赤外線と炭火焙煎

遠赤外線を使うと豆の芯まで火が通るという説があります。

それも炭火だとさらにいいという話もあります。

遠赤外線ヒーターをつかっただけのなんちゃって炭火焙煎も結構あるようですが、

それをOKにしてしまうと、普通のグリルで煎ったコーヒーも炭火焙煎になってしまいます。いわゆるシーズヒーターのたぐいも基本的には遠赤外線で加熱するからです。

たとえは、イメージ的にはあまりよくないかもしれませんが、ごくわかりやすく言いますと、本物の炭火焙煎は薪で焚いたお風呂のかまど口とか、キャンプファイヤーの火近くとか、炭火で焼き肉をするときとか、そんな時に生じる匂いとほとんど同じような匂いがコーヒーからして来ます。

これぞ、本物の炭火という感じですが、実は焙煎機の中でチャフが燃えた時にも似たような感じがすることがあったりします。

口の悪い方が田舎者が好む味といわれるゆえんです。

でも、これ本当に落ち着く味だと思うのです。だって、人類が火の使い方を覚えた時から、何十万年もの間親しんできたもののはずだからです。それを否定するのは、ほとんど不自然なことではないかとさえ、くろちゃまめは思います。

また、明らかな炭火のガスに対するメリット。

圧倒的な面で空気を加熱し、ガスよりもはるかにムラがない大量の熱風を作り出す力があること。決して無視はできないと思います。

さらに一方で炭火や赤外線で焙煎すると甘みが強くなるという説もあります。

これについては、本当にそうかもしれません。

赤外線を照射すると残念ながら、細かいニュアンスはかなり消えるような気もするのですが、それ以上に雑味が消えてくれます。ガスやほかの手段で加熱したものと比べて、ゴンゴン火を起こして加熱したと思われるような本格的な炭火は、スペシャリティの浅いりなどで完全に回避することが困難な癖もきれいに取れてしまうように思います。特に生豆から乾燥してゆく過程でこれは重要で、余計な雑味が消える分、甘さが引き立つのではないかと思っています。

ちょうど本来は甘がきよりも糖度の高い渋柿を干すと、渋みが抜けて、本来の甘みがでてくるのと同じ原理です。

ただ、どうしてもオークションロットクラスの豆を相手にするときは、逆効果になりそうです。