The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

とうとう!?wilfaを試す①

結構、評判良いけど、浅煎り向けだろうなと思っていて、スルーしていたwilfaを遅ればせながら、最近入手しました。

これ日本の台所や食卓にはまだ少し大きめに感じるものの、修理も含めたメンテのしやすさ、耐久性、静電気対策も含めた使い勝手、速度、ほどんど全ての点で個人であれば初心者から自信をもってお勧めできるモデルですね。

これで粉砕して抽出するとほとんどの雑味は印象が薄くなって、綺麗な酸味だけが強調されてくっきり浮かび上がるような結果が得られやすい。

あるところから深めの焙煎では少し刃が滑った感じにはなりまして、あまり多用すると故障が心配。その意味ではすべてに最適とは言い難いところもありはしますけれど、そういうのはさすがに別枠で。

正直、焙煎の評価が甘くなりすぎて、困るかー。というくらいしか文句のつけようがない。
個人向けとしては最良のミルかもしれません。
なんといっても、1−2杯くらいのペーパーフィルタを直接セットしたまま粉砕できるのです。おそらく設計者は狙ってます。地味にこれがいい。ドリップバッグの試作などにもベストに近い受けの構造。しかも静電気をほとんど意識することなく使用できる。粒度の調整も簡単で一発でできる。ほとんど力も不要。その割にずれにくく、かりにズレてもすぐに気が付きやすい。その気になれば細めのところから荒めの方向へゆっくり回して、粒度分布のコントロールもできる。なんと、ジーニアス!!
かなりコマダンテにも近く、さらに洗練されて感じる方もいらっしゃるかもしれません。
自分としては多少単調にも感じられる面はありますが、すべてを曝け出す傾向の強いDITTINGの少し古いモデルとか粗探しをしている印象が出かねないところでも、穏やかに、スマートに抽出させてくれる感じでしょうか。

今のところ、粉の状態の長期保存テストはできていないのですけれど。

もともと少量こまめに挽くためのミルなのでそこで評価するのは酷でしょう。

ある程度の量を挽く必要があり、なおかつ粉の状態での保存性が重視される豆の挽き売りなら、やはりリードミルを選べたら一つの理想かなとも思ったりもしますし、DITTINGとリードミルの中間あたりを狙えば、やはりマールクーニックのモデルから選んだ方が良さそうですけれど、このミル、個人宅向けとはいえ、ちょっとしたテストや試作程度には十分使える性能です。

たとえば、一昨年に焙煎した、タンザニアAAキボブルーとか、RMTC課題豆の残り(他の方の焙煎複数)が出てきたので試してみたところ、うまく抽出すれば、温かいうちはそんなにお古感を感じさせず、いずれもなんとか、元の豆のジューシーさが伝わる程度に飲めなくもないではありませんか。
結構なお手前で。
初心者にはもちろんですが、実は焙煎者にとことん優しい(甘い)ミルです。
コーヒーも甘い?かも。
当初NG判定して長期評価に回した焙煎もこれで評価すると、むしろけっこう課題豆を上回って感じられる部分さえもあり。生豆の市場の評価はそこまででもないはずなんですけど。最近のタンザニアの一部は地域としても近いのかケニアテロワールとしても拮抗するものが増えている感触があり、このクロップけっこう、いい勝負。