The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

ディスカバリーVSエアコン

今、ディスカバリーを置いている場所のエアコンは推定4馬力程度(室外機のサイズから類推すると実際は冷房能力で10kwクラスのようです。これエアコンの場合は馬力表示すると4馬力が正しいようです)のエアコンが付いています。これインバータ制御していない単純なONOFFタイプの原始的な制御のようですが、23度以下とかに設定しても、焙煎機の周辺はせいぜい27度くらいにしかならず、若干能力不足に感じます。場所自体があまり断熱性能が高くないのだと思います。でもエアコンの風が直接当たるとかなり寒い。ONのときは全開で動作しているからでしょう。

(10kw相当と思われる冷房能力はおそらく熱交換の瞬発力…なんでしょう…という前提で。)とりあえず、このエアコンの4馬力を、単純に熱量に換算すると、3kw。

かたやディスカバリーは1900kcal 。

860kcalが1kwですのでkwで表示すれば2.2kw

単純に比較して、ディスカバリーの火力はこの部屋のエアコンに能力的に負けていることになります。

もちろん、エアコンの風がすべて焙煎機に吸い込まれるわけではなくてせいぜい数パーセントのレベルかと思いますが、ディスカバリーは、常時全開で焙煎しているわけでありません。

最大量で焙煎するとしても平均すればせいぜい1kw程度しか使っていないかもしれません。しかもそのかなりの部分(おそらく50%以上)が煙突もしくは排気筒を通してどんどん屋外に排出されて失われていき、入れ替わりにエアコンから出た冷気が入ってくるのです。それまでエアコンが冷やしてきた空気がマイナスの熱として蓄熱されているわけですから、排気を上げれば上げるほど、影響を受けるでしょう。

そしてさらに、焙煎機本体から発せられた熱気は天井近くに溜まっていきます。

そうすると、どういうことが起こるか。設定温度にもよりますが、ONになっていれば、あまりの熱気に、ひょっとして火事じゃないか? さあ大変と、エアコンは本気を出して、せめてもと、一生懸命冷やそうとします。

結果、何が起こるかと言いますと。

ディスカバリーは半分の能力も使っていないのに、これまでエアコンから出て、部屋中に拡散している冷たい空気に加えて、本気モードで出てきたエアコンのさらに冷たい空気を温めながら焙煎していかなくてはならなくなるのです。

それに対抗して火力を上げようものなら、エアコンはさらに風量を最大にして、一生懸命冷やそうとします。インバーター式なら、能力を最大限に調整するかもしれません。

エアコンと焙煎機の位置関係にもよりますが、その影響は、焙煎のステージによっては0.1kpaどころでないガス圧の差に匹敵する可能性さえあります。

夏の季節の焙煎が難しくなる理由の一つではないでしょうか。

かといってエアコンを切ってしまうと、それはそれで焙煎者が参ってしまうかも。それと焙煎機の方も後半暴走気味になりやすい。流石に室温が40度くらいまで上がると、ディスカバリーも暑そうにしている? 少なくとも、いつもどおりではない感じがします。(汗はかきませんけど)

エアコンを入れるかいれないか、湿度にも大きく影響する上に、室温はガスの密度にも影響するし、排気の具合もありますから、実際には、複数の要素が絡んで、単純に0.1kpa分火力があげれば済むといったものでもないのが一筋縄でいかないところだと思います。

一つ言えるのは、エアコンの冷気が直接焙煎機にいかないように、また焙煎機の熱気が直接エアコンに干渉しないように、適度に遮蔽することが安定した焙煎には必要ではないかということです。