The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

粉の再評価おばーなぜ50%未満の真空度なのか

ざっとですが、粉のまま真空引きしたものを再評価してみました。

2日目の評価   やはり50%以上引いたものは全滅に近い。

しかし、昨日評価して、完全には密封せず、粉のままジッパーを閉めた程度にしておいたタンザニアが化けていました。あの、昆布の出汁ともアクとも取れるフレーバーはほとんど消失して、昔のキリマンジャロとも違うけれど、確かにこれ、タンザニアらしいかもと思える、スペシャルティ感のある柔らかい酸味と果実感がじわじわと広がります。

どうしたんでしょう。40%程度だと大して引いたうちにははいらないんですけれど。

しかもそのあと、ジッパーで閉じた程度である程度は酸素に触れているはずですけれど、面白いものです。

この辺りは焙煎とのバランスというか相性みたいなものも絡んでくるところだと思いますが、少なくとも粉の場合は40%未満位の引き具合をメインにしておいた方が良さそうです。というか、条件によっては、本当に0%の方がうまくいく可能性があります。

今回の焙煎はあまりうまくいっている方ではないので、そもそも評価の軸にするわけにはいきませんが、粉にしたら、0-40%くらいの引き具合というのは当面は一つの目安にしてもいいかもしれません。

真空引きするのは、余計な炭酸ガスを抜くと考えれば、重要なプロセスとなる可能性があります。抽出の段階でも炭酸ガスはどちらかというと必要ではありますが、過剰なガスは基本的に抽出の邪魔でしかありません。それに炭酸ガスは香りを届けてくれるとか、酸素から守ってくれるという部分はあっても、袋を破裂させたり、ゆっくりと豆の中の成分を変化させたり、脱酸素剤の効果を無効にしたりします。保存に関してもマイナス面も大きい。それは量が多ければ多いほどです。粉にすると、炭酸ガスが噴き出すように表に出てくる分、早めにある程度逃がせた方がなおさらいいはず。とはいえ真空度40%とかだと意味がなさそうにも思えます。

確かに一般の食品なら、90%でも不十分かもしれません。10%分空気が残ってしまうと影響は無視できないからです。でもコーヒーの場合は、内部に部分的に10気圧、20気圧にも達するのではないかというレベルで二酸化炭素などを溜め込んでいます。だから、少しでも気圧が減圧した時点で内部からそれらの気体が噴き出してきて袋の中に充満します。いろいろな条件にもよると思いますが、必ずしも、90%だと、10%分空気が残るというふうにはならない。むしろ、ひょっとしたら、豆の場合でさえ50%程度引いたくらいでも、二酸化炭素が袋の中に充満して、中の空気を追い出してしまうのかもしれません。

そう考えると、やはりコーヒーの場合は90%どころか、50%前後くらいの引き具合がちょうど良いのかもしれません。

あまりに引き方が緩いと大きめの袋を使っても破裂しかねないし、バルブをつけるのはマイナス面もあるので、ほどほどに、とすると、やはり最適な引き具合というのはどこかに見つかるはずです。それは、シティ相当の豆であれば、今のところ最大でも66-90%の間くらい。粉であれば50%より十分に下のレベルが適しているようです。

この辺りは粉にしてから、どれくらいの時間が経過したかでかなり結果が変わるので、評価は相当に難しい。とりあえずはなるべく時間を空けないでやってみることにしますが、ある程度の量を作る場合はまとめて粉にするなりしないと効率が悪いものですし、その場合は、また引き具合を少し緩めたりしなくてはならなくなるでしょう。

あとは、脱酸素剤をどう使うか、あるいはつかわないか、などの要素も絡んで微調整が必要になると思われます。