The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

28バッチを評価する①

10時間かけて28バッチ終えた後は、コーヒーの香りでムカムカする以上に湯気さえも避けたくなる感じ。外に出ると熱風の海の中を泳いでいるような感覚です。なんというか焙煎中の豆はこんな気分でいるのかもしれませんが…。

本当は8時間後くらいにすべて評価する予定だったのですが、うまくいかず、なんとかコーヒーの評価くらいできそうな状態になったので、今日になって評価を開始しました。覚書レベルです。

#01 正体不明のモカ ナチュラル 60g

そこそこうまく行っている感じに見えます。見た目は狙っていたより深煎りに感じます。これはディスカバリーでもそうですけれど、最初の2バッチか3バッチ目くらいまでは焙煎度そのものも狙った通りに揃えるのが、うまくいきにくい。温度で合わせるということが通用しにくいのです。飲んでみると、ちょっと深煎りファンに受けそうなフレーバーがかすかにします。本来ならハイくらいで止めるつもりだったのですけれど、この量だと流石に厳しかった。豆自体、管理の問題でディフェクトが隠せないものです。たまたま余った豆を余熱開始後10分でいれてみたもの。

#02 ブラジル プレミアムショコラ 100g

ディスカバリーに10gいれるのと同じようなバランスです。どうせうまくいく可能性がほとんどないなら、少なめで行こうと思って試してみました。今クロップのクォリティはいかに? これだけだとスタンダードに毛が生えるか生えないかのクォリティの豆であることは隠せません。少し汗をかいていて、ドラムが過熱気味になっていたことがしのばれます。やはり追加のバーナーはもっと下げるか、奥側に2つ並べるべきだったと思います。少なくともこの焙煎量ではサブは奥の1つでも十分でした。

#03 ブラジル プレミアムショコラ 150g

すこし生感と渋みがあります。ちょっとした辛味のようなフレーバーも。昭和の時代の焙煎だったら、これはハゼの前の水抜きが足りないと言われそうな感じではあります。全体に釜が温まっていないので、豆の当たる熱風の温度が不十分な割にドラム周りは先に加熱していた感じがします。

#04 ブラジル プレミアムショコラ 200g

どんな焙煎機でもやっと目が覚めたと思えるタイミングがあり、フジの場合、特別なことをしなくても、4バッチ目あたり突然目が覚めたような感じになって、当日のベストに近いバッチができたりします。最大焙煎量の10分の1以下だとスローペースになるはずですし、今回は予熱も10分程度しかかけていないので、この時点ではいつもの2バッチ目と3バッチ目の中間ぐらいのできになってもおかしくないところです。ちょっと生に感じる点はありますが、スペシャルティらしさは出てきました。外観でもハイ相当くらいに見えます。スペシャルティの豆であることをようやく認めてもいいところまできましたが、少し飲む人を選ぶような感じはあります。しばらく置いておくと化けるかもの焙煎です。点数をつければ80点スレスレ。もしくは±2くらい。

#05 ブラジル プレミアムショコラ 200g

4より少し深めの焙煎度でここいらあたりが小倉で勝負するには無難かもしれないところですが、4と比べるとスペシャルティらしさは後退します。スタンダードと比べて特徴を主張するのは場合によっては厳しいかも。それでも、安心して推せる感じはあります。特に九州であれば。

#06 ブラジル プレミアムショコラ 200g

4と5のいいとこ取りをしたようなところがあります。ただし、まだまだかすかに辛味のような成分を感じます。もう少しまろやかな甘みがベースに感じるところを出せないと、抽出や相手によっては厳しい評価を受ける可能性があります。

#27 ブラジル トミオフクダ 200g

今クロップは見た目のスクリーンサイズも小さく感じて、外観は今一つの印象でした。飲んでみると、かすかにグラッシーな感じ。これを苦にするなら、なんとか焙煎でカバーすべきところかもしれません。好き好きですが、結構好きな方もいらっしゃる程度ではあります。焙煎度はミディアムからハイくらいかなと思ったのですが、実際のテイストはちょいシナモンらしさも出ていて、ピーチっぽさえあります。あまりコーヒーらしくありません。でも、この銘柄どんな焙煎をしても明らかに失敗したと思えたこともないし、どこから購入しても仕入れに失敗したと感じたことはないんですよね。

特徴はさほどなくて、市場の評価はそんなに良くないので、あまりコストはかけられていないはず、その割にはぞんざいに扱われたような痕跡を感じることがなく安心して出せる感じがするのです。お分けしても予想以上に好評だったり、一旦切れると半年近く待たないと入手できなかったりするのが唯一の欠点です。時間を置いて評価すると化けるかも。次回以降は素直に甘みが感じられるところまでいくべきでしょう。ただ27バッチ目でわずか200gの焙煎量ですので、とりあえず、焙煎が成立しただけでもよしとしなくてはなりません。もう少しバーナーの設定を調整できれば、200gで30バッチとかも夢ではないですが、特にやりたくもありません。

#28 グアテマラ とある農園 200g

サンプルでいただいてかなり印象の良かった今クロップ。今回の焙煎は今一つです。とはいえ、焙煎機全体が過熱気味になってくる28バッチ目でこれだけ入れればOKとしたいと思います。当面の実験のベースに使えたらと思って入手した豆なのですが、やはりちょっとディフェクトを感じさせる部分はかすかにあります。原料のせいにすべきものかといえば微妙なところではありますが、いずれにせよ逆にこういう状態の方がテストには向いているかもしれないので、とりあえずはこれで行ってみようかと思っています。