The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

カカオの焙煎②

まだちょっと齧ってみた程度ですが、カカオの焙煎をやってみて改めて思うことがあります。それは人間が好ましいと思うフレーバーのほとんどに酵母や乳酸菌などの微生物が絡んでいると言う可能性もしくは疑いについて、です。

テロワールに関係なく、どこの産地の豆であっても、焙煎の度合いがある段階にくると、精製による差は相当ありますが、ほぼ例外なく、カカオやチョコレートを思わせるフレーバーがしてきます。

これコーヒーの場合ですけれど、不思議なことに味噌を作っていても、いろいろやっていると、まさにチョコレートそのままを連想させるようなフレーバーが結構な頻度でしてくるのです。特に白米の代わりに玄米の麹を使うとかカカオ豆ににた外皮をまとった豆を使用するなどすると顕著です。

(ちなみに逆にコーヒーで味噌のフレーバーを感じることもたまに。)

最近、福岡のスーパーなんかでも見かけるようになったちょっとスペシャルティなチョコレートなども、パイナップル風のフレーバーがしたりといったことがあります。こう言う時に出てくるフレーバーというのはスペシャルティのコーヒーで言及されるフレーバーと結構被る感があります。

でも、やっぱり最も頻度が多いと言うか、一般的なのは、他に表現が難しいですけれど、あのチョコレートらしいフレーバーです。ま、当たり前と言えばあたりまえですけれどね。だって、ココアやチョコレートとして販売する目的で製造しているわけですから。

このチョコフレーバーですが、カカオの生豆の段階でも微かにしていますけれど、これカカオの場合はコーヒー以上に積極的に発酵させているので得られているもののようで

おっと、これはやっぱり酵母菌や乳酸菌やらのしわざじゃないかと思う他ありません。

というか、チョコレートのフレーバーに限らず、ベリー、パイナップル、マンゴー、トロピカルフルーツ、もう何でもかんでも、みんな、そうだと言う気がなんとなく、しています。

いわゆるスパイス類をいったんちょっと横におきますと、舌先だけで感じることのできる砂糖、塩、を除き、ほぼ全ての調味料や食卓で味を整えるもの、たとえば、日本の場合で、しょうゆ、味噌、みりん、日本酒などの酒類から酢まですべて発酵させた製品です。

タバスコ、マスタードあたりも発酵の度合いは高い。色々なソース類も単に調味料と野菜を混ぜ合わせただけに終わらず、ある程度の発酵の過程を経ている可能性がある。

ひょっとしたら、程度の差はあれ、マヨネーズやケッチャプさえも例外ではないかもしれません。

そして、唐辛子やこしょうなどのスパイス類も、青い間は多少辛味があっても単調だったりします。ある程度熟してから、乾燥させる工程を経て、好ましいフレーバーを発散させるケースがほとんどではないかと思うのですけれど、ここにもさまざまな微生物の活動が絡んでいるはず。

結局、人間が味と捉えているものは、かなりの部分、嗅覚に頼っている。それも微生物の作り出した匂い、フレーバーに支配されている。そのように感じられるのです。