The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

麹づくりと珈琲の接点①

今、いろいろな穀物やらで麹を作ってみております。麹といえば聞こえはいいですが、ようするに、カビ。麹屋さんはよく、カビの一種とかいわれますけど、少なくともみかけはもろカビそのものです。

白い菌糸が伸びてきたり、緑色の胞子を放ったり、これほんと、正真正銘のカビでしかありません。ただし、なぜか食べ物を甘くしてくれたりする不思議なかびなんですよね。

白米の麹はそうでもないのですが、玄米麹となると難しくて、下手すると見かけは市販の麹以上にしっかりしているのに、甘酒にしてみると少し雑味を感じたりして、なかなかに難しい。ちょっと知人に試してもらうにも躊躇うレベルです。

ここまで来ると、単なる実験とはいえ、菓子製造業の許可がもらえるレベルの設備を整えてきちんとやるべきかもしれないと思い始めています。

味噌の場合、絶対に白米では得られないいいものが作れるので、麹は玄米でないと、と思ってわざわざ作ってみているのですが、ともすると、味噌に使うにもバランスが悪く感じて困ったりします。

そこで白米で作った麹を混ぜるとあら不思議、それだけで復活、だんぜん、よくなったりします。一回、ちょっと減菌してあげると雑な感じは完全に影を潜めます。失敗したのは最初温度が少し高すぎて、酵素が失活してしまったのが一番の原因でしょうか。

それにしても面白いというか奥深いというか。

玄米で作った味噌とかなかなか主流にならないのもわかります。糠分が利用できる分、原材料的には安くなってもおかしくないけれど、一定した品質を保つのが難しいからなんでしょうね。

でいろいろやっているうちに、コーヒー豆に含まれるカビ由来の成分をはっきり検知できるようになってきたみたい。

あー、これという感じ。今までポストハーベスト剤の残りかなーと思っていた成分もかなりカビ由来だったようにも思います。

ただ、カビが全部マイナスとは限らないのが悩ましいところ、実際一部がカビだらけにもみえる産地の銘柄を思いっきり深めにいってみて、面白いフレーバーがしてきたり、やはり小さな虫が齧るか卵を産みつけたように見える穴のところが微かにカビていたりして、そういうのが一定以上混じっている銘柄は意外と評判良かったりして。カビの仲間の一部に有害なものがあるというだけで、敬遠するのも間違っているし、そもそも完全に無くせばベストというものでもないように思います。つまりある程度は付き合ってゆくしかないのです。

で思うのですけれど、カビが優勢にならないくらいに酵母や乳酸菌などの微生物が適度に活動できる条件にあった方がコーヒー豆の品質は保たれるのではないかということです。